ケラトアカントーマの治療法を知りたい

回答者:並川 健二郎
国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科医師
発行:2011年10月
更新:2013年12月

  

手の甲にいぼのようなものができ、急に2センチくらいまで大きくなり、真ん中がくぼんできたので気味が悪く、皮膚科で診てもらったところ、ケラトアカントーマといわれました。主治医は皮膚がんの1種との説もあるが切除後、経過観察でいいといいます。しかし、聞いたこともない病気で、がんかもしれないというので心配です。主治医のいう治療でよいのでしょうか。

(奈良県 男性 62歳)

A 切除後、経過観察でよい

ケラトアカントーマは中高年からお年寄りに好発し、顔や手の甲などによくできます。比較的まれなできものですので、一般の方にはほとんど知られていないのではないでしょうか。外見は半球状に盛り上がり中央部がへこんでいます。急に大きくなり、患者さんが驚いて受診するため、見過ごされることは少ないと思います。

ケラトアカントーマには、自然に消退する良性腫瘍であるという考えと、皮膚がんの1種である有棘細胞がんの1型であるという考えがあります。細胞の1つひとつは通常の有棘細胞がんと瓜二つですが、病理組織検査で全体像をみることで両者の区別が可能です。診断と治療をかねて切除し、ケラトアカントーマと診断がつけば、切除後は経過観察でかまいません。定期検診をしていれば、心配はいらないでしょう。

消退=消えたり、ほとんど跡が残らなくなったりすること

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