頬の部分の日光角化症。手術以外の治療法は?

回答者:並川 健二郎
国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科医師
発行:2012年5月
更新:2013年12月

  

顔の頬の部分にざらざらしたしみができ、日光角化症と言われました。手術を勧められましたが、顔に跡ができるのは気になるので、できれば手術はしたくないです。最近、塗り薬で治すこともできるようになったとインターネットで知りましたが、手術とどう違うのでしょうか。

(千葉県 女性 45歳)

A まずは塗り薬がお勧め。効果は6割

日光角化症は、紫外線の影響でできる表皮内がんの一つです。多くのものはがん化や転移をすることはないのですが、まれに進行して有棘細胞がんになることがあります。

治療には、これまで手術か液体窒素による凍結療法が主体でしたが、昨年、べセルナクリームという塗り薬の適応が拡大され、日光角化症についても保険で治療が受けられるようになりました。

日光角化症の病変が盛り上がっていたり、体液が浸み出てじゅくじゅくしている場合など、既に有棘細胞がんへと進行しているような徴候があれば、初めから手術をしたほうがよいでしょう。そのような場合を除けば、まずはこのべセルナクリームという薬での治療をお勧めすることができます。

手術跡は、大きいものでなければ必ずしも目立ちませんが、塗り薬での治療は傷が生じず、治療跡も比較的きれいなのが利点です。

ただし、べセルナクリームでの治療をしても、日光角化症が治るのは、6割程度とされています。この治療で治らなかった4割の患者さんでは、やはり手術か凍結療法を行うことになります。

べセルナクリームは、自宅で夜に塗り、8時間後の朝に洗い流します。これを週3回4週間続けます。これが1コース。4週空けた後に、2コース目を行います。基本的に2コースで治療を終えられる場合が多いです。治療中は、赤くなったりただれたりという症状が出ますし、日光に当たるのは避ける必要があります。

塗り薬による治療が可能かどうか、主治医に相談されてはいかがでしょうか。

ベセルナクリーム=一般名イミキモド

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