在宅療養を迷っている家族へ どうアドバイスしたらいい?

回答者・大沢かおり
東京共済病院がん相談支援センター医療ソーシャルワーカー
発行:2014年5月
更新:2016年4月

  

小規模急性期病院の看護師です。腹水を抜くために緊急入院した41歳の末期肝がんの患者さんですが、安定期に入ったため、退院して在宅で療養するか、転院先を探すかを検討していただきたい旨を医師からご家族に伝えました。患者さんは自宅に戻って療養したいようですが、奥様は会社員として仕事をしながら小さいお子さんを育てていてお忙しく、どうしたらいいか迷いながらも、なかなか話が進まないまま期間が過ぎています。どのようにアドバイスしたらいいでしょうか。

(29歳 女性 山形県)

往診医師との連携や 介護をイメージしてもらう

東京共済病院がん相談支援センター
の大沢かおりさん

まずは、在宅療養について奥様が気にかかっていることは何なのでしょうか。不安や問題を聞いて確認してみることです。その上で、それらを解消するために何ができるのか、どのような情報を提供したらいいのかについて、主治医や看護師、退院調整の担当者、ソーシャルワーカーなど、さらに、できれば患者さんご家族と一緒にとチームで相談していきます。

質問内容からはこの方の気がかりについては明らかにされていませんが、よくあるケースでは、今後病状の進行に伴いどのような症状が出てくるのか、介護ができるかについての不安、仕事を休職できるか辞めなくてはならないかの心配などが挙げられます。

ご主人の希望に沿って在宅療養をする場合、再び腹水が溜まってくると、食事が思うように喉を通らない、膨満感で苦しかったり倦怠感があるなど、日中一人で過ごすのは無理があると考えられます。そうすると奥様が仕事を休んで介助に当たる必要が出てきます。

会社員として働いていらっしゃるとのことですから、会社と相談がつけば一定期間休職することが考えられます。また、会社員であっても雇用形態がパートなどで休職中の所得補償がなく、奥様の収入が途絶えてしまうと家計が成り立たなくなる場合は、生活保護の申請も検討します。

病状への不安については、自宅で訪問サービスを利用しながらケアできるのかという心配がまず挙げられます。そのような心配事は、往診を担当する医師と会って病状と処置、緊急時の対応について相談すると不安が解消されていくことが多いです。例えば、腹水を抜かないと苦しくてたまらない状況になったら、すぐに対応してもらえるかなど、具体的な事態を想定しながら対策を検討します。

近隣のどのクリニックの医師に往診を頼むかについては、退院調整のスタッフなどが情報を把握できます。病院から紹介状を往診医へ送り、ご家族に面談に行っていただきます。患者さんの様子を見るためと情報を主治医から得るために、往診医が病院まで来てくれる場合もあります。

病状が悪くなっていく中で、どこまで介護を続けられるかが不安になることもあるでしょうから、緊急のときはすぐに入院できることも伝えておくといいいでしょう。また、本人やご家族の希望があれば、緩和ケア病棟の手続きを同時進行で進めておくとよいです。

そのほか、退院調整のために、介護保険を利用したベッドの貸与など、自宅での療養環境を整えるための福祉機器などの手配についても、ご家族と相談します。

また、小さいお子さんがいらっしゃるので、患者さんが亡くなったあとは、厚生年金や国民年金から遺族年金が出ます。それらで収入を補いながら、奥様はご自分のペースに合わせて仕事に復帰するのがベストです。

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