外来でがん治療中。就職するときの相談先は

回答者・大沢かおり
東京共済病院がん相談支援センター医療ソーシャルワーカー
発行:2016年1月
更新:2016年4月

  

今年(2015年)7月に乳がんがわかり、現在治療中です。嘱託職員で雇用されていたこともあり、がん治療も相まって雇用期間満了で会社を退職することになり、現在無職の状態です。治療が一段落した段階で、様子を見ながら仕事を探そうと思うのですが、がん患者が仕事を探す場合、相談する場所などあるのでしょうか。何か良い方法があれば教えて下さい。

(46歳 女性 石川県)

16カ所のハローワークで 職業相談に応じている

東京共済病院がん相談支援センター
の大沢かおりさん

乳がんの初期治療は、手術の入院時以外であれば、放射線治療、抗がん薬治療ともに基本的に休職せずに外来治療が可能です。

副作用を和らげる薬の登場によって、以前よりも比較的楽に化学療法を受けられるようになったものの、副作用の出方には個人差もありますので、患者さんには最初から休職すると決めずに、副作用がきつかったら仕事をどうするかを考えるよう、と伝えています。

治療が一段落した段階でのお仕事探しのことですね。一段落とは、手術や抗がん薬治療が終わり、後はホルモン療法や分子標的薬、あるいは病理によっては経過観察のみ、といった状況でしょうか。

そうであれば、外来の頻度も3カ月に1回や、3週に1回くらいに減っていると思いますし、身体的にとくに制約もないので、普通にハローワークや求人チラシ、ネット、派遣登録などで就職活動を行うように勧めています。

ちなみに、がんの患者さんに限って仕事を相談する場ではないのですが、厚生労働省では、全国16カ所のハローワーク(長期療養者等就職支援モデル事業実施ハローワーク)に就職支援ナビゲーターを配置し、がん、肝炎、糖尿病等の疾患の患者さんに対し、職業相談を実施しています。

厚労省のホームページにその16カ所が出ていますし、最寄りのハローワークでも相談に応じています。

時折、就職の面談時に、がんの既往について話すべきかどうか、相談を受けることがあります。その仕事をするのに支障のない身体状況であれば、伝える必要はありません。ただ採用後に、頻回に通院するため休暇を取る必要がある場合などは、伝えておいたほうがよいでしょう。

採用する側は、その人が、会社が必要とする能力を持っていて、それを十分に発揮してくれるかどうかを評価しますので、ご自分の能力もしっかりとアピールすることが大切です。

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