子どもに自分のがんをどのように伝えたらいいか
乳がんが見つかり、抗がん薬治療、手術をすることになりました。3歳と8歳の子どもがいますが、これからの治療についてどのように伝えたらいいか迷っています。
(37歳 女性 香川県)
A がんという言葉をつかって 何度も説明を
の大沢かおりさん
3歳ですと説明をどの程度理解してくれるものかという思いも生じるでしょうが、まずはお子さん2人に同時に説明するのがいいでしょう。もしも例えば、年上の子だけに話して、下の子には伏せた場合は、年上の子に心の負担がとくに強くかかってしまいます。また、話されなかった子のほうも、通院のあと、ママが具合悪そうにしていれば、もしかしたらすぐ死んでしまうのではないか心配だけど聞けないというような不安を抱くことになります。
説明するポイントは3つです。
まず、「〝がん〟という病気になったこと」そして、「それはかぜみたいに軽いものではなく、きちんとした治療をしなくてはならないものであること」。さらに、治療計画が決まったら、その内容について子どもたちの生活にどんな変化があるのか、心配が解消されるように話します。
例えば、「ときどき病院に薬を注射しに行って、そのあとママはずいぶんと疲れているように見えるかもしれない。でもそれは、病気が悪くなっているのではなくて、がんをやっつけるための治療なんだよ」。また、「いつからいつまでお泊りの入院をして手術で悪いところを取る。でも麻酔というお薬を使うから痛くないんだよ。それから、ママがいない間は、おばあちゃんがごはんを作ってくれるし、いろいろなお手伝いをしてくれるよ」などです。
3歳ですと、話を理解したかも見えず、同じことを何回も聞き返します。それは普通のことなので、その都度説明します。8歳ならある程度のことはわかりますが、集中して話を聞ける時間も限られています。1度では伝えきれないので、何回かに分けて話せばよいかと思います。
初めはお子さんもショックを受けたり悲しむでしょうが、あなた自身がそうだったように、ずっとそのままということはなく、ママががんという病気になったという事実に子ども自身も慣れてくるものです。「何か心配なことがあったら何でも聞いてね」と伝え、疑問に1つ1つ答えていくことで、子どもは安心します。
子どもへの説明に役立つ冊子や*情報提供サイトがあるので、参考にするのもよいでしょう。
*「Hope Tree」という、がんになった親をもつ子どものサポートに参考となる情報を提供するサイトに、発達段階ごとの特徴や対応が掲載されています