香川がん患者おしゃべり会に参加して

文:田中祐次 東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワーク部門客員助手
NPO血液患者コミュニティ「ももの木」理事長
イラスト:杉本健吾
発行:2009年2月
更新:2013年4月

  
ももイラスト

たなか ゆうじ
1970年生まれ。徳島大学卒業。東京大学、都立駒込病院を経て、米国デューク大学に留学。
現在は東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワーク部門客員助手。
2000年、患者会血液患者コミュニティ「ももの木」を設立し、定期的な交流会を続けている

2008年11月に四国の香川県に行ってきました。私こと「もも」は草加煎餅とともに育ちましたが、大学は四国の徳島県で6年間学びました。入学の年は瀬戸大橋開通の年。懐かしいです。香川県には、もちろん「讃岐うどん」を食べに何度も通っていました。その香川県に、おしゃべり会の参加者として再び足を踏み入れるとは夢にも思いませんでした。

おしゃべり会は普段は自己紹介をしてみんなで和気あいあいとおしゃべりをする会です。でも今回は「公開おしゃべり会」ということで、医師や患者会の代表者が講堂の前に並ぶ形をとりました。患者会の代表は、香川県、隣の愛媛県、高知県の患者会の方も参加してくれました。企画は患者会の世話人の方で、香川大学付属病院看護部長がサポートしてくれました。

イラスト

当日、香川大学医学部内の会場には、患者さんや家族の方を中心に100名以上が集まりました。医学生や看護学生の方も来てくれました。

院長先生の、医療者と患者さんとの間の溝をうめていきたい、という挨拶で会が始まりました。そして、会場の方と前に座った医療者、患者会代表の方との「公開おしゃべり」が始まりました。

会場の方が手を上げてくれるのか、自信はありませんでした。でも、1人の手があがり、2人、3人と手があがりました。

「名札を見せて挨拶をしてくれた主治医は、私とひざをつき合わせて話をしてくれる」

「検査をしたら結果を話して欲しい。それで安心できる」

「医師同士が友人関係にあるとセカンドオピニオンが取れない」

「自分自身の小さな目標を立てた。目標を立てることが大切」

いろいろな意見が出ました。そして前に座った医療者、患者会の代表の方がそれに応えていく、そしてまたフロアから手があがる。

公開おしゃべり会でありながらフロアから意見が出てこないのではないかと心配していたものの、逆に時間が足りなくなるほどの盛り上がりでした。途中、がん告知の問題ではフロアの方々、前にいる方々とそれぞれの意見の相違もありましたが、そうやって違いがでてそれを皆で知ること、そして自分の気持ちを自分で確かめること、これが大切だと思います。今回の公開おしゃべり会はそのきっかけができたと実感しました。

その夜、実行委員の方と反省会を兼ねた打ち上げを行いました。そこでは、やはり会場では出なかった意見が出てきます。それもまた大切なことだと思います。そして、こうした患者さんの意見が少しでも医療に届いて欲しいと願うのでした。

そういえば、うどんを食べ忘れていました……。

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