1. ホーム > 
  2. 特集
2019_nov_i

監修●鈴木 勉 星薬科大学薬物依存研究室特任教授/名誉教授

米国では麻薬性鎮痛薬オピオイドの過剰摂取(乱用)による死者が急増し、2017年にトランプ政権が非常事態宣言を発令した。これに対し、わが国では『ダメ。ゼッタイ。』普及運動で知られる麻薬撲滅運動が功を奏し、日本は世界的に見ても薬物生涯経験率が最も低い国だ。

反面、がん治療で使われる医療用麻薬性鎮痛薬(以下、医療用麻薬)の使用量は、今日なお必要量の15%強にとどまる。そのため、厚生労働省も医療用麻薬の適正使用推進に動き出し、一般向け公開講座を年2回開催している。医療用麻薬の最新情報について、星薬科大学(東京・品川区)薬物依存研究室特任教授/名誉教授の鈴木勉さんに伺った。

監修●玉置妙憂 僧侶/看護師

看護師として医療現場で忙しい日々を送っていた玉置妙憂さんは、2012年、末期がんの夫を自宅で看取った。延命治療を拒んだ夫が強く望んだ自宅での「自然死」。樹木が少しずつ枯れて最後は土に戻るような〝美しい死〟を目の当たりにし、誘(いざな)われるように僧侶の道を志したという。

1年間の厳しい修行を経て僧侶となり、現在は看護師として医療現場に立つ一方、終末期の患者の元へ通い、スピリチュアルケアを行っている。看護師と僧侶という2つの立ち位置から命を見つめる玉置さんに、がん闘病中の心に何が起こるのか、その実情と処し方を伺った。

監修●四元淳子 国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健医療学専攻遺伝カウンセリング分野講師

2019年6月、がん遺伝子パネル検査が保険適用になった。遺伝子情報を治療へ繋げていく試みは、スタートラインについたと言える。ただし、疾患に関連する遺伝子情報は、本人のみならず親族にも関わる繊細な問題だ。そんな様々なデリケートな部分をコンサルテーションするのが、認定遺伝カウンセラーだ。患者は今後自分の遺伝子情報とどう向き合っていけば良いのか。同職種で活躍し、後進の育成にも携わる国際医療福祉大学大学院遺伝カウンセリング分野講師の四元淳子さんに伺った。

監修●立松典篤 国立がん研究センター東病院骨軟部腫瘍・リハビリテーション科

これまでエビデンス(科学的根拠)の極めて少なかったがん悪液質に対する集学的治療に関して、日本初の臨床試験「*NEXTAC-ONE」が実施され、その安全性と有用性が認められた。その結果を受けてNEXTAC-TWO試験の登録が2017年8月に開始され、2020年7月に登録が完了する予定となっている。がん悪液質を有効に治療するためには薬物療法だけでなく、栄養サポートや運動療法、心理社会的介入などを含む集学的な支持療法が必要という認識は、今日、世界的に共有され始めている。NEXTAC-ONE試験において運動プログラムを担当した国立がん研究センター東病院の立松典篤氏に、運動療法を中心にその概要と今後の展望について伺った。

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート3月 掲載記事更新!