アロマセラピスト・長谷川記子の心を癒すアロマ教室 5

ローズ・オットー

長谷川 記子 アロマセラピスト
発行:2014年3月
更新:2019年7月

  

はせがわ のりこ 薬剤師、アロマ・ハーブ・サプリメントコンサルタント(有)チェリッシュ・インターナショナル代表取締役 星薬科大学薬学部卒業。大学時代より皮膚科学や予防医学、香りの研究を始める。医療・介護分野でQOL向上のためのアロマとハーブの普及活動を行う。日本緩和医療薬学会評議員 、国際個別化医療学会評議員、日本メディカル・アロマテラピー学会員 、日本赤十字社医療センターアロマテラピー研究会専任講師、聖徳大学生涯学習講師(ハーブ&アロマテラピー)
カウンセリング受付先
eメールアドレス cherish-int@nifty.com
FAX. 047-348-2352
アベ腫瘍内科クリニック
TEL. 03-6380-8031

ローズ・オットーは甘く深みのある豊潤な香りです。古代から「香りの女王」として親しまれてきました。孤独を癒し、幸福感で満たします。内分泌系、神経系、消化器系、呼吸器系の調整と強化に用います。

アロマのこころ
がんを患い、心身が弱る時に、気力も枯れて、自分自身の存在さえも小さく思える時があります。「孤独を癒すローズ」――バラの花の香り。その香りは、晩秋の中、花咲く時、力強い香りをひときわ放つことに気づきました。貴方の幸せ、生命の尊さ、美、愛に気づかせてくれる無言の花の香り――それが、永遠の癒しの花――ローズのアロマです。

がんを患うと、ふと暗い闇に沈んでしまったような、孤独感や空虚感に陥いることがあります。他の人に語れない、言葉に表せない、心の叫びです。

ローズはこうしたがん患者さんの方々の心身の孤独や虚しさ、寂しさを癒し、生きる幸せで、心身を潤おすミステリアスな力を秘めた香りです。

古代エジプトのクレオパトラや、ローマ皇帝ネロも、ローズのアロマに魅せられました。そして、宗教的儀式では「霊的浄化」に用いられ、世界中の人々の心と身体、霊(魂)の癒しをしてきました。

アロマテラピーの中では、近年ローズの香りの成分が脳科学分野では、瞑想状態のα波を誘発し、また芳香すると、鼻腔を通過し、脳内の全身の内分泌系、免疫系、自律神経系などの調整を司る視床下部に働きかけることが解明されつつあります。

来院時、全く無表情で瞳に生きる力の輝きがなかったA氏(男性、胃がん、60代)。
「いい香りですね……ありがとう」と、バラの芳香浴とアロマケアの後に、顔に明るさが、少し戻り、ポツリと言いました。

アロマケアを付添いの奥様(50代)にもお願いしたいというA氏の申し出に、奥様へのアロマカウンセリングも効果的だったようでした。介護の心身の疲労によるホルモンバランスの乱れから、更年期障害をともなう症状もあり、頭痛、冷え、肩こりなどに効果的でした。

ローズの香りによるアロマケアはA氏のみでなく介護するA 氏の奥様にも、とても喜ばれました。

「本当にアロマって、幸せな気持ちになる何かがあるんでしょうね」。自宅でA氏と介護の生活の中にローズの香りをとり入れることで、アロマケアが楽しくなり、奥様自身、生活に潤いを取りもどすことができたそうです。

またA氏はバラの苗木を自宅に植え、ガーデニングをしたり、奥様との語らいの時を大事にされるようになられたとのことです。

ローズ……この美しく気品ある香りは、人と人の愛を結び、孤独を癒し、「生きる幸せ」を呼び覚ます香りです。

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