今年（2015年）4月に直腸がんで手術をしました。手術自体は成功したものの、それ以降、下剤を服用しないと便が出ないようになりました。色々、便秘に効くといわれる、ビフィズス菌やオリゴ糖といったサプリメントを試していますが、なかなか治りません。下剤を飲まなくても済む良い方法などありましたら、アドバイスお願いします。

（63歳 女性 青森県）

Ａ 通常量であれば下剤を飲んでも問題はない

獨協医科大学越谷病院外科教授の
大矢雅敏さん

直腸がんの手術後に便秘になる人は多く、下剤を飲まないと便が出ない人もいます。下剤を使用することに抵抗を感じる方も多いのですが、通常量であれば長期間服用しても大きな副作用は起きませんので、あまり心配せずに下剤を使用して下さい。

ただし、できれば連日服用することは避けたほうがよいでしょう。術後の便秘は長期間続くことが多く、連日服用するよりは、2日に1度、通常の倍量を飲むほうがよいです。また、下剤を使った翌日は便通の回数も多くなりますので、外出予定がある場合には前日に下剤を服用することは避けたほうがよいでしょう。

若い人の慢性便秘と違って、がんの手術後に便秘になった場合、下剤を飲めば大多数の人で排便が起き、ひどい便秘に悩まされることはほとんどありません。他にも、浣腸などの物理的な治療法もありますが、直腸がんの場合、手術で直腸を切除していますので、浣腸の効果はあまり期待できません。もし物理的な治療を行いたい場合には、必ず主治医の先生に相談して下さい。

また、サプリメントについてですが、この方の場合、治療時期からすると現在術後補助化学療法を行っている可能性があります。化学療法中にサプリメントを使用すると、思わぬ副作用が現れる可能性がありますので、サプリメントを使用する場合には必ず主治医の先生にご相談下さい。