多発性骨髄腫、抗がん薬治療を受けたほうがいいか
2022年5月、腰が痛くなり総合病院の血液内科で精密検査を受けたところ、多発性骨髄腫(MM)と診断されました。抗がん薬治療を提案されましたが、副作用が怖くて治療を拒否しました。すると主治医から「それなら将来、人工呼吸器を使用することになるかもしれない。定期的に検査を受けながら、緩和治療を続けてはどうか」と言われました。やはり抗がん薬治療を受けたほうがいいのでしょうか。
(75歳 男性 東京都)
A 症状を緩和するような治療を受けては
日本赤十字社医療センター
血液内科副部長の塚田さん
血液内科副部長の塚田さん
最初から人工呼吸器の話が出ることはあまりないと思いますので、「人工透析」の聞き間違いではないでしょうか。多発性骨髄腫を無治療で経過観察していると、腎臓の機能が悪化して人工透析が必要になることがあります。すでに腰痛がみられているとのことですので、病状が急激に悪化しないかどうかを定期的に診てもらったほうがよいと思いますし、並行して症状を緩和するような治療を受けてはどうでしょうか。
抗がん薬治療の副作用が怖いと思われるのも理解できますが、多発性骨髄腫が進行して、病的骨折や腎機能障害などの症状が悪化することも決して楽ではないと思います。
治療をしないという選択もありますが、できる限り苦痛を和らげられる治療を、担当医と相談するのも1つの選択肢だと思います。強度の弱い抗がん薬治療を行うことが、症状の改善に繋がる可能性もあります。