抗がん薬治療は避けたいが
左胸に乳がんが見つかり、全摘しました。病理診断の結果、浸潤系7㎜、ホルモン受容体陽性、HER2陰性、センチネルリンパ節転移なし、グレート2、Ki67は30%、ステージ1でした。主治医は当初、ホルモン治療のみとしていましたが、Ki67の値が気になるため、LH-RHアゴニスト製剤や抗がん薬の追加も検討しているようです。
できれば抗がん薬治療は避けたいのですが、Ki67が高い場合は行う必要があるのでしょうか。また、オンコタイプDXも検討していますが、もし30を超えたら必ず抗がん薬治療を行うのでしょうか。
(40歳 女性 東京都)
A オンコタイプDXのスコアが高リスクなら抗がん薬治療を
板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん
乳腺外科医長の上野貴史さん
なるべくなら抗がん薬治療を避けたいということですが、Ki67の値が30%以上であればルミナルBライクに分類され、主治医が言うようにホルモン薬治療だけでなく抗がん薬治の併用も検討されます。
オンコタイプDXも検討されているようですが、この検査のほうが抗がん薬治療を行うかどうかの判定はより確かなものがあります。検査は再発にかかわる21の遺伝子の発現状況を解析して、10年以内に再発するかどうかの確率を1~100のスコアにします。18未満は低リスク、18~30を中間リスク、31以上を高リスクと分け、31以上なら抗がん薬治療を推奨することになっています。ですからオンコタイプDXの検査をされるのであれば、スコアが31以上になったなら、年齢的にも若いですから再発リスクを抑えるためにも、抗がん薬治療の併用をお勧めします。