女性ホルモンに影響を与える化粧品を使ってもよいか
2004年12月に乳がんが発見され、左乳房の全摘手術を受けました。引き続き、ノルバデックスとゾラデックス(一般名 酢酸ゴセレリン)の治療を受けました。子宮筋腫になり、2005年8月に子宮と卵巣の全摘手術を受けました。2006年10月から現在に至るまで、アリミデックス(一般名アナストロゾール)を服用しています。食品や化粧品はできるだけ自然に近いものを使っています。化粧品であれば、ハーブ系のものなどを選んでいますが、なかには、女性ホルモンを活性化するとか、ホルモンバランスに関係したりするものもあります。顔に塗るだけですが、化粧品が乳がんなどに何か影響することはないでしょうか。
(福岡県 女性 49歳)
A 化粧品を経皮的に塗るだけなら問題ない
欧米では、更年期障害の女性がホルモン剤を飲むケースが多くあります。乳がんの患者さんも多いため、スウェーデンで、乳がんの手術を受けた患者さんがホルモン剤を服用しても問題がないか、2つの臨床試験が行われました。1つでは問題ないという結果でしたが、もう1つではホルモン療法を行う群で再発率が予想以上に多かったため、途中で試験が中止されました(HABITS試験)。このことから、乳がんの患者さんはホルモン補充療法(エストロゲン+プロゲステロン)を受けないほうがよいとされています。
では、女性ホルモンを活性化する化粧品を経皮的に塗るのはどうかというと、データはほとんどありませんが、まず問題がないと考えられています。化粧品を塗る程度では、経皮的に吸収されても、最初に肝臓を通らないため、生物学的に有効となる血中女性ホルモンの上昇はほとんどなく、薬理的に問題が起こるようなことはまずないからです。