2度の手術で乳房全摘。再発予防の方法は?
5年前、右の乳房に非浸潤性乳管がんが見つかりました。腫瘍は1つで、大きさは1センチでした。乳房の4分の1を取り除く局所手術を受けましたが、手術後の病理検査の結果、残りの乳房も切除したほうがよいとのことで、2回目の切除手術を受けました。リンパ節も一部切除しました。結局、全摘手術を受けたことになります。 2回の手術のほかには何も治療は受けていません。再発防止にはどんなことをしたらよいでしょうか。
(大阪府 女性 55歳)
A 浸潤巣の有無によって予防法は異なる
非浸潤性乳管がんでは、基本的にはリンパ節の切除は必要ありません。1回目の局所手術の結果で、断端が陽性か、陰性かにかかわらず、浸潤巣がなかった場合リンパ節切除はオーバートリートメント(過剰診療)と言えます。
1回目の手術後の病理検査で、浸潤巣が見つかって、追加の切除が必要となったということであれば、リンパ節切除をすることは問題ないと思います。
ご相談者のがんに浸潤巣があったかどうかによって、再発防止はまったく異なります。
非浸潤性であれば、腫瘍の取り残しさえなければ、全摘手術でほぼ100パーセント治ります。理論的には再発はあり得ません。ただし、もう片方の乳房にまったく新しい別の乳がんができる可能性が普通の方よりも高くなります。ですから、検診をしっかりと受け続けることをおすすめします。
浸潤性だった場合には、乳癌診療ガイドラインにしたがって、リスク分類とホルモン療法の有効性の有無などに応じて、術後補助療法を行います。再発のリスクを少なくするようにします。
5年前の手術ですので、今からではリスクの下げようはありません。体重増加により脂肪細胞が増えることが女性ホルモンを増やし、再発リスクが増すという報告もありますので、太らないようにすることが望ましいでしょう。
ご相談者の場合、文面だけから判断すると、非浸潤性乳管がんだった可能性が高いように思います。検診で再発の早期発見に努めてください。