卵巣がん3期。術後の補助化学療法の副作用がひどい
8カ月前に卵巣に腫瘍が見つかり、手術を受け、卵巣がん(類内膜腺がん)の3期と診断されました。1回目の手術では、子宮と大網、両側の卵巣、卵管を切除しました。大腸への癒着も見られ、その後、抗がん剤のタキソール(一般名パクリタキセル)とパラプラチン(一般名カルボプラチン)を6コース受けました。抗がん剤が効き、2カ月前に再度、手術を受け、残っていたリンパ節を切除しました。その際の術中診断では、大腸へ広がっていたがんも消えていて、目に見えるがんは取り切れたそうです。手術後、補助療法として、以前と同じタキソールとパラプラチンによる治療を受けていますが、倦怠感や食欲不振、手足のしびれなどの副作用がひどく、投与期間中は寝たきりに近い状態になってしまいます。できれば抗がん剤治療は中止したいのですが、卵巣がんは再発が多いと聞きます。このまま続けたほうがよいのでしょうか。また、ほかによい治療法はあるでしょうか。
(京都府 女性 47歳)
A いつやめるか総合的に判断して決める
このようなケースでは、どこまで治療を続けるべきか、議論が分かれるのが現状です。手術を行い、抗がん剤治療も行い、再手術もして、がんが見つからなかったら、それ以上の追加治療は行わない医療施設もあると思います。
しかし、見た目ではがんが確認されなくても、細胞レベルではがんが残っていることもありますし、最初の手術の状態を考えると、6コースの抗がん剤では不十分と主治医が判断することもあると思います。そうした場合は、さらに3~6回ほど、追加の抗がん剤治療を行う医療施設が多いと思います。とはいえ、その治療をすれば治療成績が上がるという医学的根拠は今のところありません。
ただアメリカでは、こうしたケースでタキソールを単剤で12カ月続けたところ、良好な治療成績であったという報告もあります。しかし、これもまだ議論の分かれるところで、標準治療になるまでには至っていません。
ですから現状では、初回のがんの状態、再手術後の状態、そして現在の抗がん剤による副作用の状態など、すべてを総合的に判断して、どの時点で治療をやめるのがもっともよいか、主治医とじっくり相談されてみることをおすすめします。
また、場合によっては、現在受けているタキソールとパラプラチンをほかの抗がん剤に変える方法もあります。
たとえば「しびれ」に関しては、タキソールよりタキソテール(一般名ドセタキセル)のほうが少ないという報告もあります。タキソールとタキソテールは同じ系統の薬ですから、しびれがひどい場合はタキソールをタキソテールに変えるという方法もあるでしょう。ただし、再発予防効果のほどに関しては、まだはっきりとはわかっていません。