明細胞腺がん術後に、抗がん剤治療の予定。体力低下が心配だが…
上皮性卵巣がん1C期で、がん細胞の組織型は明細胞腺がんです。今年の7月に、子宮と卵巣の切除、さらに大網と傍大動脈リンパ節郭清の手術を受けました。今後は、抗がん剤のタキソール(一般名パクリタキセル)とパラプラチン(一般名カルボプラチン)を6回行うと言われましたが、明細胞がんには抗がん剤が効きにくいと聞きました。効果の小さいといわれる抗がん剤を受ける必要があるのでしょうか。抗がん剤治療を受けることで、かえって体力や免疫力が落ちて再発しやすくならないか心配です。受けるとしても、たとえば3回などに回数を減らすことはできないでしょうか。
(大阪府 女性 56歳)
A 体力低下によって、再発率が上がるという根拠はない
上皮性卵巣がんに対する抗がん剤治療は、世界的にパラプラチンとタキソールの2剤併用療法が標準治療として確立しています。
明細胞がんは確かに抗がん剤が効きにくいがんで、この腫瘍特有の治療はありません。ただ、パラプラチンとタキソールが効かないということではありませんし、上皮性卵巣がんに対しては一般的にパラプラチンとタキソールの2剤併用療法が確立しているのですから、まずはこの治療を受けられてもよいと思います。
「抗がん剤治療を受けることで、体力や免疫力が落ちて再発しやすくならないか心配」とお書きになっていますが、体力が低下しても再発しやすくなるという科学的な根拠はありません。ですから、そういうことを心配する必要はありません。
1C期の上皮性卵巣がんに対するパラプラチンとタキソールの2剤併用療法は、世界的にも6回が標準です。3回ほどの治療で無効でない限り、回数を減らすべきではありません。中途半端な抗がん剤治療は、副作用のみ出現し、効果が得られないということになります。