アロマターゼ阻害薬に変更したほうがいいのか
2014年に左乳房に1.5㎝の乳がんが発見されました。センチネルリンパ節転移はなくステージⅠと診断され部分切除を受けました。ホルモン受容体陽性、HER2陰性のルミナルA型でした。放射線治療後、ゴセレリンの注射とタモキシフェンの服用を開始しました。ゴセレリンの注射は2年で終了。タモキシフェンは当初5年間ということでしたが、5年経過時に主治医からさらに5年続けると言われ服用中です。4年前に不正出血があり、婦人科を受診したところ、子宮内膜肥厚があると言われました。その後も不正出血が何度かあり、婦人科医からタモキシフェンからアロマターゼ阻害薬に変更したほうがいいのでは、と言われています。このままタモキシフェン服用を続けていていいのでしょうか。
(57歳 女性 静岡県)
A アロマターゼ阻害薬に変更することを薦めます
板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん
乳腺外科医長の上野貴史さん
ご相談者さんの場合、すでに閉経されていると思われますが、閉経後の患者さんにはタモキシフェンを継続するよりは、途中でアロマターゼ阻害薬にスイッチするのがスタンダードな治療法です。タモキシフェン継続よりも効果が高いことが証明されています。
不正出血もあり、子宮内膜肥厚(しきゅうないまくひこう)があるなら、タモキシフェンの副作用の可能性が高いと思われます。子宮内膜肥厚が進めば子宮体がんのリスクも上がりますので、タモキシフェンからアロマターゼ阻害薬に変更することをお薦めします。