2期の声門がん。3つの治療法から何を選ぶべきか
2期の喉頭がん(声門がん)と診断されました。がんは左側の声帯だけにあるそうです。私の希望は、治る可能性が高い治療を受けて、なおかつ声を失わないことです。そのことを主治医に伝えたところ、「喉頭部分切除手術」「放射線治療」「レーザー治療」の3つの治療法があると説明を受けました。どの治療法が自分にとってベストなのか迷ってしまいます。アドバイスをお願いします。
(静岡県 男性 72歳)
A 声の質がよく、標準的な治療法は放射線治療
3つの治療法には、それぞれ特徴があります。
まず、がん治療の確実性の観点からいえば、喉頭部分切除手術が最も高いと思います。ただし、72歳という比較的高い年齢を考えると、手術後に誤嚥が起こるようになる危険性があります。
レーザー治療も優れた治療法ではありますが、がんができた場所や広がり具合によっては、レーザーが当てにくいことがあります。レーザーをうまく照射できない場合は、レーザー治療後に放射線治療を追加することもあります。レーザー治療の後に放射線治療を行うと、声の質はいっそう悪化しがちです。そうしたことを考えると、最初から放射線治療を行ったほうがよいともいえます。
声の質を重視した場合は、放射線治療が最もおすすめできます。また、放射線治療は2期の喉頭がんの標準的な治療法です。放射線治療で効果があまり出ず、再発の危険性が高まった場合は、その時点で喉頭部分切除手術を考えることもできます。
以上の点を総合的に考えると、ご相談者には放射線治療が最もお勧めできる治療法だと思います。
ただし、2期の喉頭がんに対する放射線治療の成績は、医療施設によって幅があります。そのため、今、受けている施設の治療成績を確認されてみるのもよいかもしれません。