2.5センチの乳がん。抗がん剤治療はしなくていいか
今年3月に左乳房にがんが見つかりました。がんの大きさは2.5センチ。乳房全摘術を受けました。術後の治療についてご相談です。検査をした結果、ホルモン感受性は陽性で、HER2検査は陰性でした。主治医からは、今後ホルモン療法による治療を行うと言われています。ただ、自分自身、ホルモン療法よりも強い、抗がん剤治療を行いたいと考えています。抗がん剤治療は行う必要はないのでしょうか。ちなみに、リンパ節転移なし、組織学的グレードは1、ホルモン感受性は高いとのこと。また、既に閉経しています。
(千葉県 女性 64歳)
A 上乗せ効果は大きくないが、やっても悪くない
ご相談者の場合、一般的にはホルモン療法だけでも十分だと考えます。しかし、ホルモン療法と抗がん剤治療を併用する選択肢も、もちろん考えられます。ただしその場合、抗がん剤による上乗せ効果はあまり大きくはないことも理解しておく必要があります。
また、抗がん剤を行うことで、副作用、さらには費用の面でもホルモン療法よりもかかってきます。また、抗がん剤を行った場合でも、ホルモン療法も併用すべきです。
ホルモン感受性が高くHER2陰性のルミナルタイプの乳がんの場合、補助療法としてホルモン剤単独でいいのか抗がん剤を併用したほうがよいのかがしばしば問題となります。オンコタイプDXという検査の結果が参考になることがありますが、まだ保険適応はなく高額な検査代がかかります。
質問者の場合、「患者の希望がある」という点で、抗がん剤治療の適応と考えることができます。