ターミナル期に脳浮腫傾向。治療法は?

回答者:田村 徳子
東京女子医科大学 脳神経外科
発行:2012年9月
更新:2013年12月

  

68歳の父は小細胞肺がんによる脳転移があり、現在は、ターミナル期として、緩和的な延命治療を受けています。ここにきて、水頭症により脳浮腫傾向がみられるとのことで、検査をしているところです。今後、この症状が進んだとしても、父の状態を考えると、開頭手術のような治療を受けるのは、かなりつらそうです。このような場合、治療法としては、どのようなものが考えられるのでしょうか。

(神奈川県 女性 30歳)

A 対症療法が中心

小細胞肺がんによって水頭症が起こる原因としては、2つが考えられます。がん性髄膜炎によって髄液が吸収されにくくなっている、もしくは、髄液の通り道にがんができていることによるものです。

髄液の通り道にがんができている場合、ガンマナイフ治療をすることで髄液の通りがよくなり、一時的にでも、水頭症が改善する可能性があります。

また、がん性髄膜炎による水頭症の場合には、頭痛などが生じていればその症状をとるなどの、いわゆる対症療法が中心となります。

がんの進行により、全身状態が悪化している場合には、身体的な負担が重すぎるなどから、髄液を頭蓋内へ流すような外科的な手術の適応にはならないため、行われません。

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