手術や放射線治療を行わず完治するのは難しいか

回答者●久保田 馨
日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野教授
発行:2019年9月
更新:2019年9月

  

祖母(70代)が小細胞肺がんに罹りました。限局型で転移はありません。かなり早期に発見できたのですが、間質性肺炎を患っているため、手術、放射線治療は難しいと主治医から言われ、現在、抗がん薬治療のみ行なっています。主治医は「末期ではなく、治療出来る段階」と言われているようですが、手術や放射線治療を行わずに完治するのは難しいのでしょうか。やはり、抗がん薬治療は治すためではなく延命治療なのでしょうか。

(32歳 女性 東京都)

手術を希望なら、そのような施設もあるので検討も

日本医科大学大学院医学研究科
呼吸器内科学分野教授の久保田さん

小細胞肺がんは限局型と進展型に分けられますが、どちらにしても化学療法が治療の中心で、治療を行わない場合に比べて長期間の延命効果が期待できます。

限局型の場合、完治を目標に化学療法と放射線療法を同時に行うというのが標準治療で、化学療法だけではほとんどの患者さんが再発するので、完治を目指す場合は局所療法が必要になります。

しかし、この患者さんの場合は間質性肺炎を患っておられるということで、放射線治療は難しいと思います。

間質性肺炎があると、手術のリスクも高くなります。もっとも、小細胞肺がんで手術を受ける患者さんは極めて少ないのですが。

かなり早期とのことですので、化学療法が終了した段階で手術が可能かどうか、積極的に手術を行っている施設もあるので、場合によってはセカンドオピニオンを含めて検討されては如何でしょうか。

小細胞肺がん以外の身体の具合、本人の希望を含めて担当医の先生とよく話し合ってみてください。

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