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あきらめないで!! 治療選択肢も多い
肝がん丸わかり完全図解

監修:竜 崇正 浦安ふじみクリニック院長
取材・文:「がんサポート」編集部
発行:2012年1月
更新:2013年4月

  
竜崇正さん
肝がんについて精通している
竜崇正さん

肝臓は生命を維持するのに欠かせない臓器。肝がんの治療では、肝臓の働きをうまく保ち、苦痛を和らげることができれば、長く健やかに過ごせるがんだといいます。

Q 肝臓ってどんな臓器? どんな働きをしてるの?

肝臓を1から8までの亜区域に分けている

日本の肝がん取扱い規約では、クイノー(フランスの肝解剖学者)に準じて肝臓を1から8までの亜区域に分けている

[肝臓の主な働き]

  • 血液を蓄える
  • 栄養素を蓄える
  • 老廃物や毒素を無毒化・排泄する
  • 止血や免疫力を高める物質を作る
  • 消化液の胆汁を作る

肝臓は右上腹部にある人体で最も大きな臓器。さまざまな重要な働きをしていて、全摘出はできない。再生能力が高く、約80%を切除しても4~5カ月でもとの大きさに戻る。肝細胞が集まった肝小葉(直径約1mm)約100万個でできていて、門脈(静脈の1種)を通じて消化管から吸収された大量の栄養を受け取る。また、肝臓で作られた胆汁は肝内胆管を通じて集められ、胆管へ送られる。

Q 何が原因で肝がんなるの?

肝がんの原因

肝がんは原因のほとんどが慢性肝炎で、その大半がウイルス性のC型肝炎。C型肝炎が慢性化すると肝臓が線維化していき、数10年かけて肝硬変、肝がんに進むケースが多い。なお、障害を起こした肝臓は、肝がんが再発しやすく、2次発がんも招きやすい。


がんの発生
F1~F4とは肝線維化の程度による分類

Q 肝がんの死亡者数の推移は?

肝がんの死亡者数の推移
[特徴]

  • 患者の80%は男性
  • 40~50代から急増し、80代から減少
  • 発症者数、死亡者数とも減少傾向
  • 日本や東アジアに多い

わが国の肝がんはウイルス性慢性肝炎が主原因である。戦後しばらくは肝炎ウイルスの感染率が高く、2000年ごろまでは肝がんが増え続けたが、栄養状態の改善、ウイルス感染への対策、肝炎の治療法の発達などによって、若い世代では肝がんの発症率が低下している。肝がんをさらに減らすには、インターフェロン()などによるウイルス性肝炎の根治が不可欠といえる。

インターフェロン=サイトカインの一種。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制を行う


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