マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第71回 春の月を味わう<半月のポーズ>
いま、メールやLINEの文末に「マル(句点)を付けるのはいかがなものか」問題が、ウェブをにぎわしているそうです。
句読点の歴史にはさまざまな変遷
若い友人からのメールやLINEの文面には「そういえば最近、文末にマルがついてないな」と、うっすら思っていました。最後の行だけマルを付けないケースもあれば、文中のマルは行を替えて読みやすくし、文中のテン(読点)は半角を空けるなどで、句読点は一切使わないケースもあります。
同じ友人の1年前のメールを見ると、最後の行の文末にもマルがついています。行替えの前の文末にもマル。
メールとLINEの作法はちょっと違いますが、気になってLINEあるいはショートメールをみると、50代以下の人はほとんどマルなしで文章が終わっています。というか、ほとんど絵文字で終わっています。
あっ、若いのに文末は必ずマルで終える人がいる——これはこちらに合わせてくれているのでしょうか。
びっくりしたのは、文末にマルがついていると怖いという人がいたこと。
これはニュースバラエティ番組の若い男性アナウンサーの発言でした。上から目線を感じるとか、怒っているのかなと疑念をもったりするというのです。
また、別の若い人とその話題をおしゃべりしていたら、「昔は、句読点はなかったのですよね」とおっしゃる。「今も正式な挨拶文には句読点を使いませんよね」と。なるほどなるほど。
「源氏物語」のような仮名文字がくねくねと続く文章を、当時の貴族の女性たちは夢中になって読みましたが、自分用につけた区切り符号があったようです。
江戸時代の読み本などを見ると、テンはありますがマルは見当たりません。
句読点の歴史にはさまざまな変遷があるようですが、基本的に漢字、仮名、カタカナが入り混じり、句読点が使われるようになったのは明治以降です。
横書きに目が慣れている
手描きの文字や文章を縦書きでいつごろまで書いていたかと考えたら、小学校の絵日記まで戻ることに気づいて愕然とします。
今では人々が使う日本語の文字表現は、メールもLINEも横書き。ネットニュースもこの記事もSNS上の日本語はすべて横書き。そういえば映画の字幕も横書き。句読点は原則使われません。いろいろ変わっていくのですね。
毛筆で字を書ける人がこの頃うらやましいとしみじみ思います。
毛筆は縦書きで、行は右から左へと流れ、テンもマルもなく、字の大きさを自在に変えて文章が綴られていきます。
スマホの文は、フォントは変わらないけれど、絵文字などを多用して、見た目の印象を変えていく。ひょっとして自由度は毛筆なみなのかもしれません。
でもね、夜が更けてきたらスマホから目を離し、春の月を眺めましょう。
春の夜空を見上げると、表情の違うお月さんに出会えます。
<半月のポーズ>
さて、今月紹介するのは、左右の体側と肩腕を伸びやかにしなやかに伸ばしていくポーズです。半月というより三日月のポーズと呼んだほうが多くの人の現実にあっているかもしれません。もっと細くて緩やかな二日月でも十分。つい腕や上体の動きに目が行きがちですか、骨盤が腕とは反対方向に連動して動くのがポイントです。
まず、壁を背にして行ってみることをお勧めします。自分では体側を伸ばしているつもりが、微妙にねじれが入ってしまうことがあるからです。シンプルに身体の側面をすうーっと伸ばしていくと気持ちいいのです。
壁を背にして立ち、踵(かかと)を壁につけるか1㎝くらい離れて立つ。肛門を閉じ、お腹を軽く引き締める。
腰を反りすぎずに立ちたい。手のひらを腰(ウエスト)の後に入れる。壁とウエストの隙間は手のひら1枚くらいと心がけると、自然とお腹が引き締まります。背中をゆったり壁につけて、後頭部も軽く壁につけてます。この姿勢を保ちつつ、三日月になれたら上出来。
①足先を前方に向けて立ち、胸の前で合掌。合掌した両手は親指をクロスさせると、楽に合掌が続けられます
②息を吐きながら肛門を軽く閉じ、お腹を軽く引き締め、吸う息で合掌した手を上方に伸ばします
③息を吐きながら、ヘソを正面に向けたまま、右方向に1~3cm移行する。それとバランスをとるように上体を右方向にしならせるように伸ばしていく。手のひらは無理にぴったりつけようとしなくてよい。両手を離したほうが楽なら、肩幅くらいでもOK。そのまま4~8呼吸キープ。足から両手の先までが大きな弧になっているのをイメージしよう
④ゆっくりセンターに戻し、いったん上方に十分に伸ばして、今度は反対方向に同様に
⑤①まで戻したら、両足を肩幅に開いて呼吸を整えます。立位の姿勢で腰や背中に違和感がないか体の内部感覚に耳を澄まし、大丈夫ならもう1セット。肛門を閉じ、腹部から力を抜かないようにしながら行うのがキモです。
がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp
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