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FP黒田尚子のがんとライフプラン 7
最新のお墓事情
ここ数年、火葬場で荼毘にふすだけの「直葬」が増加し、関東地方では約2割を占めています。では、どんなにお葬式をシンプルにしても、遺骨はどうすればいいのでしょう?
知っておきたいお墓選びの知識や費用をまとめてみました。
先日、私がサポートしていたAさん(50代)が肺がんで亡くなりました。Aさんは東京に住んでいましたが、ご主人の実家は四国。葬儀も終わり、Aさんのお墓をどちらにつくるか、という話になりました。実家のほうに墓地だけはあるということで、結局、四国にお墓をつくることで落ち着いたそうです。
このように、病や突然の事故で亡くなられた場合、お墓が用意できているとは限りません。日本消費者協会「葬儀についてのアンケート調査」によると、「墓地がない」と回答した人が35.6%です。つまり、今やお墓を持っていない人が3人に1人というわけです。
実はお墓というのは、許可された墓地にしか作ることができません。おもな墓地を運営母体別に分けると、❶公営墓地 ❷民営墓地 ❸寺院墓地の3つ。それぞれのメリット、デメリットは図表のとおりですが、いずれもある程度の費用は必要です。
例えば、東京都の墓地代(永代供養料)の平均額は109万円。これに平均で約170万円前後となる墓石代を含めれば、墓地を整える費用は数百万円。このうえ5千円~2万円程度の管理料も毎年かかってきます。
そんな中、人気を集めているのが「樹木葬」です。
これは木の根元に遺骨を埋める方法で、1人あるいは1家族で1本の木という所もあれば、1本の木を多くの人と共有する所もあります。2012年に完成した東京都立霊園の初の樹林墓地は、500対の募集に対して初年度申込み16.3倍!の競争率で話題となりました。費用は遺骨が13万4千円、紛状遺骨が4万4千円で、年間管理料もかかりません。
さらに、樹木葬は、墓地として認められた土地が必要ですが、そうした土地も不要なのが「自然葬」です。墓地にではなく海や山に遺骨を還すというものです。