FP黒田尚子のがんとライフプラン 9

デジタルデータはどうする?情報のエンディング対策

黒田尚子●ファイナンシャル・プランナー
発行:2014年12月
更新:2015年10月

  

くろだ なおこ 1992年大学卒業後、大手シンクタンク勤務中にFPの資格を取得。98年にFPとして独立後、個人に対するコンサルティング業務のかたわら、雑誌への執筆、講演活動などを行っている。乳がん体験者コーディネーター

今や日常生活において欠かせない携帯電話やスマートフォン、パソコンなどのデジタル機器。これらは大切な個人情報が満載です。万が一の場合、これらのデジタルデータや情報をどうすれば良いのでしょうか?


デジタル機器の中でも情報の宝庫といえるのがメール。例えば、ご本人が亡くなった後に、「重要なやりとりメールだった」「故人の交友関係を知りたい」など、故人のメールの内容を必要とする可能性は高いと思います。

とくに最近は、預貯金や投資などをネット系金融機関で行っている人も少なくありません。通常の銀行と異なり、ネット系金融機関では、ほとんどの取引がネット上で済むようになっています。また、預金通帳や明細書などの紙の書類がなく、オンラインで常に最新の情報がチェックでき、消費者にとっては利便性が高く、金融機関にとってもコスト削減ができてメリットは大きいといえます。その一方で、通帳などがないので、遺族がその存在に気づかないケースもあるようです。

■情報のエンディング対策

これらのネット系金融機関からの通知等は、メールで来る場合がほとんどですから、メールをチェックすればある程度は把握できます。ただし、遺族であってもメールの内容を開示してくれるかどうかは、事業者次第。

例えば、グーグルのGmailやMSNのHotmailの場合、遺族の申請によって、情報を開示できる仕組みを設けています。ただし、米国に書類をFAXや郵送で送らねばならず、申請するには手間と時間が掛かりそう。

残しておきたいメールがあれば、あらかじめ家族や知人・友人、職場関係などに転送したり、CDなどに保存しておくべきでしょう。またIDやパスワードなど必要情報をエンディングノートに明記しておくか、誰かに伝えておくのも一手です。

また、パソコン内の誰にも見られたくない情報は、自動的に消去してくれるソフトを設定しておくのもお勧め。生前に消去したいファイルやフォルダを選択しておき、死後に遺族が実行すると家族へのメッセージとともに指定したデータの消去も行われます。

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