FP黒田尚子のがんとライフプラン 17

もっと知ってほしい、民間保険の「付帯サービス」のこと

黒田尚子●ファイナンシャル・プランナー
発行:2015年8月
更新:2015年11月

  

くろだ なおこ 大手シンクタンク勤務後1998年にFPとして独立。乳がん体験者コーディネーター。著書に『がんとお金の本』(Bkc)『50代からのお金のはなし』(プレジデント社)など。2015年7月から聖路加国際病院でがん経験者向けの「おさいふリング」をサポートしている

近年、保険会社では、いわゆる「付帯サービス」と呼ばれる契約者向けサービスを拡充させています。ところが、どんなサービスが受けられるかをきちんと知っている人はあまり多くありません。そこで今回は、民間保険の付帯サービスについてご紹介しましょう。


健康・医療に関する電話相談などを行うティーペックが、「セカンドオピニオンに関する意識調査」(2015年4月)を行ったところ、セカンドオピニオン(以下、SO)の認知度は92%と非常に高いという結果が出ました。一方で、生命保険や損害保険の付帯サービスでSOが受けられることを知っている人は、それほど多くありませんでした(認知度19.8%)。

でも実は、SOは、「がん患者さんが選ぶ必要な付帯サービス」のベスト3の堂々1位に選ばれているサービスなのです。ちなみに2位は、PET・人間ドック紹介・予約(42%)、専門カウンセラー相談(42%)(「第1回がん患者アンケート」NPO法人がん患者団体支援機構&ニッセンライフ共同実施)

基本的に付帯サービスは、保険会社が提携する専門業者が提供する場合が多く、保険会社の裁量で行われる顧客サービスの1つです。そのため、保険会社によっては、あまり積極的にPRしていない場合や、サービス提供が変更・休止される可能性もあり、その存在を知らない保険契約者の方もいるかもしれません。でも、せっかくのサービスを使わない手はないでしょう。

しかも最近では、少なくとも一般社団法人生命保険協会に加盟している生命保険会社の半数以上が、何らかの付帯サービスを提供しています。その内容は、おおむね❶「健康・医療」分野、❷「介護・福祉」分野、❸「生活全般」分野の3つに分けられます(図表参照)。

■生命保険や損害保険が行っている付帯サービス

どちらかといえば、ここ数年、外資系生保を中心に導入が増えてきているのが、❶❷のサービスです。いずれも、早期発見や病気や介護に対する予防的要素の強いサービスが多いのが特徴といえます。なかには、「電話によるSOサービス」や、国内の転院や患者移送にかかわる手続きや手配を無料でコーディネートしてくれる「入院・転院サポート」を提供する会社もあります。

また、❸のサービスは、国内大手生保などが導入しています。保険更新時などに付与されるポイントを貯めて特定商品と交換できたり、スポーツクラブやレジャー施設などの優待サービスが受けられたり、といったクレジットカードの付帯サービスと同じようなイメージです。

ただ保険会社によっては、すべての商品に付帯しておらず、特定の商品の保険契約者のみとしている場合や、一定額以上の保険料負担のある保険契約者に限定している場合もあります。あるいは提携先の専門業者が同じでも、保険会社によって利用できるサービスも様々です。

もし利用できるのであれば、とってもおトクでユニークな付帯サービスもありますので、ご加入中の保険の付帯サービスの有無やその内容を、是非確認してみてはいかがでしょうか?

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