黒田尚子のがん節約術

がんにかかる確率や治療費を考えると「がん保険」に加入したほうが安心ですが……

イラスト/コヤマ ノリエ
発行:2012年8月
更新:2013年6月

  

がん患者やそのご家族にとって、がんとお金に関する不安や問題を少しでも解消し、治療に専念できる手助けになればと考えています。

黒田尚子(くろだ なおこ)

1992年大学卒業後、大手シンクタンク勤務中にFPの資格を取得。1998年にFPとして独立後、個人に対するコンサルティング業務のかたわら、雑誌への執筆、講演活動などを行っている。

Q:医療保険とがん保険どちらがいいのでしょうか?

私の親戚が先日大腸がんと診断され、現在治療を受けています。自分も今年で40歳になり、がんについて考えるようになりました。将来病気になったときには最新治療を受けたいと思っていますが、治療費が心配です。親戚からがんの治療費は他の病気よりも高額と聞きました。そこで医療保険かがん保険に加入したいと思っているのですが、どちらに加入したほうがいいのでしょうか?

(40代 男性)

A:がん保険と医療保険には、大きな保障内容の違いを知ること

なんとも悩ましい問題ですね。実際のところ、保険選びは、その人の状況や保障の考え方によってさまざまで、当然、私たちFPの中でも意見が異なります。

たとえば、今や日本人の「2人もしくは3人に1人」というがん罹患率の高さや、がんの治療費が高額化・長期化しやすいことなどから、「がん保険」に優先的に加入すべきだ、という人もいます。

一方、「医療保険」なら、がんはもちろん入院や手術、がん以外の病気やケガにも備えられるのだから、まずはこちらに加入すべきだ、という人もいるでしょう。

いずれも、こちらが正解! というものではありませんが、知っておきたいのは、がん保険と医療保険には、大きな保障内容の違いがあるという点です。

どういうことかというとそれは、医療保険は、病気やケガで「入院」したときに給付金がもらえる保険。つまり、入院してナンボの保険ですから、基本的に入院しなければお金はもらえません。

それに対して、がん保険は、がんと診断されれば(要件は保険会社で異なります)、まとまった金額(100万円など)のがん診断給付金が一時金でボーンともらえます。これががん患者にとっては 「ありがたや~」のひと言に尽きるのです。

だって、このお金は使いみち自由。検査や治療に使おうが、ぱーっと何かに散財しようが文句は言われません(と思います……)。

さらに、入院給付金についても、医療保険は入院日数に制限(通算1000日までなど)がありますが、がん保険は無制限。平均在院日数が年々減少傾向にあり、政府としても長期入院を減らそうという方向性を打ち出しているとはいえ、がんで入院が長引いた時など安心して治療に専念できるというものです。

ただし、最近の医療保険は多様化しており、がんによる保障を手厚くするタイプも登場しています。また、ほとんどのがん保険は、契約日から90日の免責期間があって、この間にがんが発見されても保障は受けられません。

どちらを選ぶかは、これらの特徴を理解した上で、まずは、自分が現時点でイザという時のために、どれくらい備えができているか再検証することが大切です。

そうして、がん以外の病気は預貯金などでまかなえるという人なら、がん保険を優先的に。そうでなければオールラウンドな医療保険への加入をお勧めします。

とはいえ、不覚にもがん保険に加入してなかった私としては「入っておけば良かった~」と後悔しきりだったんですけどね。

FP黒田尚子からひと言
どちらか選ぶ際は、自分がどんな時に保障があると助かるかを考えて決めるとよいでしょう。

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