黒田尚子のがん節約術

がん患者でも一定の要件を満たせば加入できるがん保険はあります

イラスト/コヤマ ノリエ
発行:2012年9月
更新:2013年6月

  

がん患者やそのご家族にとって、がんとお金に関する不安や問題を少しでも解消し、治療に専念できる手助けになればと考えています。

黒田尚子(くろだ なおこ)

1992年大学卒業後、大手シンクタンク勤務中にFPの資格を取得。1998年にFPとして独立後、個人に対するコンサルティング業務のかたわら、雑誌への執筆、講演活動などを行っている。

Q:がん体験者でも入れるがん保険はありますか?

私は乳がんに罹患して5年目になります。治療法はHER2陽性であったため、ハーセプチンによる薬物療法を行うことができたのですが、高額な治療費が必要でした。治療終了後は症状が安定していて、いつも通りの生活をしています。もしも再発したときのために保険に加入したいと考えているものの、がん患者でも加入できる保険はあるのでしょうか?(50代 女性)

A:医療保険やがん保険の要件は、保険会社あるいは保険商品によって異なります

基本的に、1度がんになってしまうと、通常のがん保険や医療保険には加入できません。

しかし、最後の治療から一定期間がん治療や投薬等がない場合、加入できるがん保険があります。

セコム損害保険の「メディコムワン」は、入院治療費のかかった費用全額、通院治療費の上限1000万円(5年間)まで全額給付が受けられる、手厚い補償が特徴です。ただし、対象は乳がん患者のみ。保険料も、再発率を考慮し、がん罹患時に診断されたステージ(病期)ごとに保険料が設定されていて、決して安いとはいえません。

アフラックでは、健康に不安のある方のための医療保険「やさしいEVER」(2012年7月23日から「もっとやさしいEVER」)があります。

この保険は、がんの診断後、5年以内に治療や投薬などがなければ加入OK。そのため、こちらを選択するケースが多いようです。

さらに、2012年の4月から発売されたアメリカンホームの「ガンになったことがある方も入りやすい みんなのほすピタる」も注目です。

他社商品が過去「10年」もしくは「特定のがん」を要件にしているのに対し、「2年」と大幅な短縮化を実現し、がんの種類も問いません。保険料もお手頃です。

ただし、いずれの商品も通常のがん保険の特徴の1つである「がん診断給付金」がなく(アメリカンホームはオプションで、がんで5日間以上継続して入院した場合の一時金補償を付加可)、がんで入院した場合の支払い日数は無制限となるものの、がん保険というよりは医療保険のようなイメージ。

いずれにせよ、医療保険やがん保険の要件は、保険会社あるいは保険商品によって異なります。

たとえば、前述のアフラックでは、(ごく初期のがん)をがんとは別の疾患として定義しているため、過去に上皮内新生物と診断されても、がん保険に加入できます。

「どうしても保険に入りたい!」という方は複数の保険会社にご相談されてみてはいかがでしょうか?

FP黒田尚子からひと言
「保険」は安心。治療費負担が軽減できるのはもちろん、精神的にも気持ちがラクになるのはありがたいことです。

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