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できればリンパ節郭清はしたくないが……

回答者・上野貴史
板橋中央総合病院外科医師
発行:2015年8月
更新:2015年11月

  

乳がんと診断され、がんの大きさは約3cm。超音波検査で腋窩リンパ節への転移があるようだと言われました。術前化学療法を受けることになりましたが、もし化学療法のあとリンパ節転移がなけなれば、リンパ節郭清はしなくてもよいのでしょうか。できればリンパ節郭清は避けたいと考えています。

(53歳 女性 静岡県)

センチネルリンパ節生検が陰性なら郭清しなくてよいとされるが、データは不十分

板橋中央総合病院外科医師の
上野貴史さん

超音波でリンパ節転移が疑われるなら、術前化学療法をする場合は細胞診をして、本当に転移かどうかを調べるのが通常です。以下は細胞診で転移とわかったとしてお話します。ご相談者の場合、化学療法のあとでセンチネルリンパ節生検を行うということが問題です。先に化学療法をしたあとにセンチネルリンパ節生検をした場合、生検の正確性が低下し偽陰性(本当は転移陽性なのに誤って陰性と判断されること)となる確率が増加することがわかっているからです。

2014年3月に改訂されたASCO(米国臨床腫瘍学会)の治療ガイドラインでは、化学療法後のセンチネルリンパ節生検について、「データは十分ではないが、benefits outweigh harms(副作用よりは利益がまさる)」として一応は認めていますが、evidence qualityもやや低いとされ慎重な態度をとる必要があります。

化学療法後のセンチネルリンパ節生検の偽陰性率を下げるためには、色素法とRI法の併用、2個以上のセンチネルリンパの切除、免疫組織法の併用で微小転移も陽性とすること、等が勧められています。これらを用いることで偽陰性率を10%以下にすることが可能となるといわれています。

センチネルリンパ節生検が陽性であった場合には、腋窩郭清を施行することが必要と考えられています。エビデンスはまだありませんが、安全のためには、たとえセンチネルリンパ節生検が陰性であっても、腋窩領域リンパ節への放射線照射を考慮してもよいかもしれません。

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