1. ホーム > 
  2. がん相談 > 
  3. 乳がん > 
  4. 乳がん
 

手術の傷口が炎症して、放射線治療が始められなくて不安

回答者・関口建次
苑田会放射線クリニック副院長
発行:2015年9月
更新:2015年12月

  

左胸に1.5㎝の乳がんが見つかり、2カ月前に乳房温存手術を受けました。術後、放射線治療を行い、その後ホルモン療法を行う予定でしたが、手術による傷口が炎症を起こし、腫れあがってしまい、未だに放射線治療を始められていません。放射線治療をすぐに行わなくて大丈夫でしょうか。

(71歳 女性 北海道)

手術後5カ月を超えなければいい。ホルモン療法を先行して行うことを勧める

苑田会放射線クリニック副院長の
関口建次さん

結論から申し上げますと、この方の場合、傷口の炎症が治まってから放射線治療を受けられたほうがいいでしょう。また放射線治療の開始時期ですが、「乳癌診療ガイドライン」では、できるだけ早期に開始することが勧められ、「とくに術後20週を超えないこと」と記されています。

この20週というのは、カナダの臨床試験のデータが根拠となっていて、術後20週を超えると、放射線治療を術後早期に開始した群と比較して、再発率が高くなることが報告されているからです。

またご相談者の場合、放射線治療後にホルモン療法を行う予定になっていますが、先にホルモン療法を始められたらよいかと思います。なぜなら、ホルモン療法を行った場合、術後20週までは、早期に放射線治療を行った群と比較して、局所再発率は増えなかったとするスウェーデンからの報告があるからです。

ご相談者の場合、まだ術後2カ月(8週)ですので、焦らず心を落ち着かせて、炎症が治まるのを待つのがよいかと思います。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート11月 掲載記事更新!