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炎症性乳がんと診断。悪性度と治療法が心配

回答者・上野貴史
板橋中央総合病院外科医師
発行:2015年11月
更新:2016年3月

  

左胸の周りにチクチクした痛みを感じ、鏡を見ると乳房がうっすらと赤くなっていました。乳腺専門病院を受診し、組織検査の結果、炎症性乳がんと診断されました。炎症性乳がんはほかの乳がんのタイプよりも悪性度が高いと聞きましたが、どのような治療法になるのでしょうか。

(67歳 女性 東京都)

手術が可能なら全摘術に。再発予防の治療も必須

板橋中央総合病院外科医師の
上野貴史さん

炎症性乳がんは乳がん全体の1%ほどで、はっきりしたしこりを触れず、皮膚に赤みや腫れが出てくるのが特徴です。40~50歳代に多く発症します。進行が早く、リンパ管内への侵襲が多くて転移も起こしやすいことから、悪性度が高いとされています。

治療法は、原則的に術前化学療法を行い、そのあと手術が可能なら全摘手術、術後補助放射線治療、さらにホルモン陽性ならホルモン療法、HER2陽性ならハーセプチン治療というように様々な治療法を組み合わせることになります。また、センチネルリンパ節生検の適応はなく、腋窩リンパ節郭清も必須となります。

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