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手術を拒否。増感剤を併用した放射線照射とはどのような治療法か

回答者・関口建次
苑田会放射線クリニック副院長
発行:2016年5月
更新:2016年8月

  

妻(47歳)の右乳房に7cmほどのがんが見つかり、主治医からは手術を勧められましたが、本人は手術を拒否しています。他に治療法はないかと色々調べていたところ、増感剤を併用した放射線治療があることを知りました。これはどのような治療法になるのでしょうか。また、どの位の効果が見込まれるのでしょうか。

(52歳 男性 兵庫県)

まずは標準治療を。もし増感剤併用の放射線治療を行うのなら、全身療法は必須

苑田会放射線クリニック副院長の
関口建次さん

増感剤を併用した放射線治療の1つに、「KORTUC療法」と呼ばれる治療法があります。これは、腫瘍内にオキシドール(過酸化水素水)とヒアルロン酸を注入し、その後放射線照射を行う治療法のことを言います。オキシドールの働きで、がんの放射線に対する感受性が高まり、治療効果が上がると考えられています。

ただし、この治療法は誰にでも勧められる標準治療ではありません。まずは標準治療を考えるべきです。今であれば、乳房全摘手術、この方に適した全身療法、さらに放射線療法を行うことで、治癒する可能性は十分あります。

それでも、どうしても手術が嫌だということであれば、今回のような増感剤を併用した放射線治療も、次の選択肢として考えられるかと思います。放射線だけで治療するよりは良いでしょう。

高知大学からの最近の報告によりますと、Ⅱ(II)期までの乳がんに対して「KORTUC療法」と、症例によってはEC療法などの抗がん薬治療やホルモン療法を行うことで、ほとんどの患者さんで乳房内のがんは消失したとしています。

今のところ標準治療として勧められるわけではありませんが、もしご相談者が「KORTUC療法」を行うのであれば、抗がん薬なり、ホルモン療法(ホルモン感受性があれば)といった全身療法はぜひ行うべきでしょう。これは、腫瘍内にオキシドールとヒアルロン酸を注入する際に、微小な血管を通して腫瘍が全身に行き渡ってしまう危険性が全くないとは言い切れないためです。また、とくに問題とはなりませんが、このような薬剤を腫瘍内に注入した際に、刺した部位から貯まった血液が一時的に流れ出ることもあるので、注意が必要です。

なお、腫瘍の大きさが7cmということは、75%以上の確率で腋の下のリンパ節に転移している可能性があります。したがって、手術が嫌だとすると、乳房だけでなく、周りのリンパ節(腋の下や首のつけ根)にも、きちんと放射線で治療する必要があります。

全身療法=抗がん薬治療、ホルモン療法、分子標的薬治療 EC療法=ファルモルビシン(一般名エピルビシン)+エンドキサン(一般名シクロホスファミド)

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