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術前化学療法でがんが縮小。放射線治療は必要?

回答者・上野貴史
板橋中央総合病院外科医師
発行:2016年6月
更新:2016年9月

  

乳がんと診断され、がんが大きかったのでまず化学療法を行いました。その結果、6cmあったしこりが2cm弱になり、右乳房の全摘出術を受けました。リンパ節転移はなかったのですが、術後の放射線治療は必要でしょうか。また、放射線治療では、皮膚が火傷をしたようになるのでしょうか。

(40歳 女性 神奈川県)

化学療法前の大きさで判断するのが一般的

板橋中央総合病院外科医師の
上野貴史さん

乳房切除術を受けた患者さんの中で、しこりが大きかったり(5cm以上)、腋窩(脇の下)リンパ節に転移が4個以上あった場合、胸壁(手術した胸の範囲)や周囲へのリンパ節に再発する危険性が高いため、乳房切除後に補助放射線治療を受けることが標準治療とされています。腋窩リンパ節転移が1~3個の場合は、議論があるところで、他の要素を含めて放射線治療の必要性を判断します。

ただし、ご相談者のように、術前化学療法後の放射線治療の適応についてはデータが少なく、意見が分かれるところです。もともとしこりの大きさが6cmだったということは照射の対象になりますが、化学療法後に2cm以下になったのであれば照射をしなくてもよいということになります。

ASCOガイドラインではデータがないためどちらとも言えないとされていますが、NCCNガイドラインでは治療前の大きさで判断するとされています。2015年の国際コンセンサス会議の専門家の投票では、5cmのものが2cmになった場合、68%が照射を行うという結果でした。相談者の場合、年齢を考えても、放射線治療をしたほうがよいと考えます。しかし、絶対的なものではないので、行わないという選択肢もあり得ます。

放射線治療中の皮膚は炎症を起こし、「放射線皮膚炎」という状態になります。発赤や掻痒感など日焼けのような症状が現れますが、軟膏などで対処できることがほとんどです。

ASCO=米国臨床腫瘍学会 NCCN=全米総合がん情報ネットワーク

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