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ルミナルBの乳がんとは?

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2012年12月
更新:2014年1月

  

ステージ2aの乳がんと診断されました。ルミナルBと呼ばれるタイプの乳がんと主治医に言われましたが、よく理解できませんでした。これはどのような乳がんで、どんな治療法が適切なのでしょうか?

(愛知県 女性 32歳)

A 遺伝子発現のパターンで分類

乳がんは遺伝子発現のパターンにより、ルミナルA、ルミナルB、HER2陽性、トリプルネガティブと大きく4つに分類されます。遺伝子発現を調べるのは大変なので、がん組織の免疫染色でホルモン受容体の有無、HER2たんぱく発現の有無、Ki-67染色率を調べることで分類されており、概ね遺伝子発現パターン分類に一致するといわれています。

ルミナルタイプはホルモン感受性が陽性ですが、増殖率が高いものやHER2たんぱく発現があるものは、ルミナルBとされ、その他のルミナルAと区別されます。

ルミナルAは、おとなしいタイプのがんで、ホルモン療法のみでよいことも多いのですが、ルミナルBではホルモン療法に加えて抗がん剤も必要とされ、HER2陽性のルミナルBではさらにハーセプチン治療も加えることが標準治療です。

ルミナルAとHER2陰性のルミナルBの区別としてKi-67染色率14%という値になっていますが、染色率を正確に出すのはかなり困難であり、染色率が10~20%の場合は組織異型度なども参考にして決めるのが実際的でしょう。

質問者の場合、主治医にはっきりルミナルBといわれたということで、HER2陽性か、Ki-67染色率が高値だったと思われます。前者では抗がん剤+ホルモン治療5年+ハーセプチン1年が標準であり、後者でも抗がん剤+ホルモン剤5年を行うことが勧められます。

抗がん剤の種類については、2011年のザンクトガレンのガイドラインではアンスラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤の両者を含むものが良いとされています。32歳という年齢からもしっかりとした抗がん剤治療を受けたほうがよいでしょう。

もし将来、お子様を望まれるのであれば、抗がん剤治療で閉経する可能性が20%ほど予想されるため、前もって主治医と相談することをお勧めします。

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