ホルモン療法を継続したほうがいいか
2017年7月、左乳房部分切除を受けました。がんの大きさは1㎝で、1つのリンパ節に2㎜未満の転移が見つかり、ステージⅡaと診断されました。ホルモン受容体陽性、HER2陰性でホルモン療法の効果があるタイプと告げられました。術後放射線療法とともに、レトロゾールというホルモン療法を開始し、今年で5年になります。ホルモン療法は5年で終了するといわれていたのですが、前回の診察の際、さらに5年延長すると言われました。5年で終了すると思っていたので、戸惑っています。現在、関節痛がありホルモン療法の副作用といわれています。継続したほうがいいのでしょうか。
(71歳 女性 東京都)
A 再発率の差はそれほどない
板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん
乳腺外科医長の上野貴史さん
アロマターゼ阻害薬は、以前は5年服用だったのが、2018年にASCO(米国臨床腫瘍学会)ガイドラインが改訂され、リンパ節転移陽性の患者さんで10年、リンパ節転移がない患者さんでも10年服用することが推奨されることに変更されました。
ただし、但し書きがあり、リンパ節転移がない場合やリンパ節転移が陽性でも、その数が限られたものである場合には、主治医と相談の上で、必ずしも10年ではなく、5年で中止していいとなっています。その理由として臨床試験上5年服用と10年服用での乳がん再発率の差はそれほど大きくはなく、乳がん再発率は減っても全生存率では有意差が認められなかったからです。
ご相談者の場合、リンパ節転移は微小転移でもあったことから、一度主治医とよくご相談された上で、お決めになったらどうでしょうか。