ホルモン剤と肝機能数値の上昇には関係があるのか?
今春、浸潤性乳管がんと診断され、右乳房の温存手術を受けました。抗がん剤治療はせずに放射線治療を受け、ホルモン剤のフェマーラ(一般名レトロゾール)を服用中です。手術を受けた側の右腕の肘や手首が腫れてピリピリと、また右脇もズキンズキンと痛むので、末梢性神経障害の治療薬メチコバール(一般名メコバラミン)を服用しています。最近、体重が5~6キロ増えてしまいました。
(1)5年前、右腕に帯状疱疹ができました。帯状疱疹とがんは関連性がありますか。
(2)先日の健康診断で肝機能検査のGOT値が44に上昇していました。フェマーラを飲むと肝機能の数値は上がるのでしょうか。
(3)胆のうポリープを10年以上持っています。現在7ミリ弱ですが、少しずつ大きくなっています。乳がんの治療により、今後何か影響すると考えられますか。
(4)手術を受けた側の右腕の痛みは心配しなくて大丈夫でしょうか。左側の乳房にもしみるような痛みがあり、不安で胸がいっぱいです。
(熊本県 女性 57歳)
A ホルモン剤とは関係なく、体重増加が原因では
(1)帯状疱疹とがんには直接の関係はなく、帯状疱疹になったことがあるからといって、そのせいでがんになることはありません。
(2)GOT44は、ちょっと太った人なら出る数値であり、気にしなくて大丈夫です。5~6キロ体重が増えたとのことなので、軽い脂肪肝になったと考えられます。しかし、お腹に少しお肉がついた程度でしょうから、神経質にならなくてよいでしょう。GOT値が100以上になると肝細胞障害の原因精査が必要と考えられます。
しかし、太ると女性ホルモンが増えて再発の可能性が高まるといわれているので、太らないように気をつけてください。GOTとフェマーラの関連性は全然ないとはいえませんが、体重との関連の可能性のほうが高いでしょう。
(3)胆のうポリープは10年経過観察をしていて7ミリなら、コレステロールポリープである可能性が高いと思われます。乳がんの治療に影響はなく、そのまま様子を見ていてよいでしょう。
(4)手術後に腕が痛むことはよく起こります。しかし、なかなか効果的な薬がありません。メチコバールもそれほど効果は期待できませんが、神経回復を促進する作用があります。左側の乳房の痛みは定期検査でよく診てもらってください。一般には乳がんが乳房痛の原因となることはほとんどなく、あまり心配ないと思われます。