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乳房温存手術に放射線治療は必要か。別の治療法はないか

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2010年11月
更新:2014年1月

  

右胸の乳がんと診断されました。術前に抗がん剤を行い、がんを小さくしてから、乳房温存手術を行うことを提案されています。手術後には、放射線治療を受ける必要があると言われました。それによって、再発のリスクを下げることができるようです。離婚したため、小学1年生の息子を1人で育てています。放射線治療のために、毎日、通院するのはかなりの負担です。放射線治療以外に何かよい治療はないのでしょうか。できれば、あまり病院に通わずにすむ治療法がよいのですが。

(熊本県 女性 39歳)

A 手術後に25回、放射線を照射するのが標準的

乳房温存手術を行う場合は、原則として放射線治療も行います。乳房温存手術で切り取った部分の端(断端)からかなり離れた箇所でもがんが確認できない場合などは、放射線治療を行わないこともありますが、これは標準治療ではなく、相応のリスクを抱えることになります。高齢者では条件によっては照射を省略しても安全だというデータがありますが、39歳という比較的若い年齢では照射は必須と考えられています。

放射線治療は現在、5週間にわたり25回照射するのが標準です。ブースト照射といってさらに5回追加照射することもあります。18回照射する方法や、乳房全体でなく切除近傍のみに短期間(5日以内)照射する方法が研究されていますが、まだ長期成績は出ておらず実験的段階です。

小学生のお子さんがいらっしゃるようですが、放射線治療はお子さんが学校に行っている間に受けることもできます。勤めているのでしたら、職場の理解を得たうえで受けるとよいでしょう。いずれにしても、乳房温存手術を選択するのであれば、放射線治療も受けることをお勧めします。

放射線照射が何らかの理由で受けられない場合、一般的には乳房全摘手術が適応になります。乳房全摘手術を受けた場合は、その後、乳房再建手術を受けることもできます。

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