ノルバデックスを服用中に子宮筋腫が悪化してきた
乳がんの手術後、ノルバデックスの錠剤(一般名タモキシフェン)を約4年間、飲んでいます。4年近く重い副作用はほとんどありませんでしたが、ここにきて、もともとあった子宮筋腫が大きくなり、悪化してきました。主治医には「ノルバデックスの副作用かもしれない。様子を見つつ、当初の予定どおり、あと1年、服用することをめざそう」といわれていますが、子宮筋腫も心配です。このままノルバデックスを飲み続けたほうがよいでしょうか。また、子宮筋腫がさらに悪化したり、子宮がんになったりすることはないでしょうか。
(栃木県 女性 42歳)
A 子宮筋腫に影響が出る可能性はあまりない
ノルバデックスの1番大きな副作用は、子宮内膜の肥厚を招くことから、子宮体がん発症のリスクが増すことです。とくに子宮体がんのリスクが高まるのは閉経後の女性で、ノルバデックスを飲むと、子宮体がんの罹患リスクは4~5倍に上がります。一方、閉経前の女性の場合は、1.数倍程度上がるといわれます。ご相談者はおそらく閉経前でしょうから、子宮体がんになるリスクは閉経後の女性よりは低いといえます。
一方、ノルバデックスを飲むことで、子宮筋腫に影響が出る可能性はあまりありません。強いて言えば、閉経前の女性では血中の女性ホルモンの量が増えるので、子宮筋腫に影響することが考えられます。子宮筋腫に関しては、それほど心配しなくてもよいと思います。
ただし、子宮筋腫がかなり悪く、心配であれば、ゾラデックス(一般名ゴセレリン酢酸塩)かリュープリン(一般名リュープロレリン)などのホルモン治療を受けることを検討するとよいでしょう。
ゾラデックスやリュープリンには、子宮筋腫を小さくしたり乳がんを予防したりする効果が期待できます。これらのホルモン剤は、ノルバデックスと併用することもできます。可能なら、ノルバデックスはあと1年、服用を続けるのがよいと思います。