12年前に乳房を全摘。今から再建できるか
12年前の1998年4月、34歳のときに、右の乳房全摘手術を受けました。その後、がんの再発はなく、楽しく、充実した毎日を送っていますが、やはり乳房がないことが気になっています。可能なら、これからでも、乳房の再建をしたいと思います。できるでしょうか。できるとしたら、どのような再建法があるでしょうか。また、再建することで、がんが再発するなどの悪影響が起こることはないでしょうか。
(福岡県 女性 46歳)
A 乳房再建はいつでも可能。2つの再建法には一長一短
乳房の再建は、基本的にはいつからでも行うことができます。再建をしたことで、乳がんの再発リスクが高まったり、再発・転移が発見しにくくなったりすることはないと考えられています。
再建法には大きく分けて、インプラント法と自家組織移植法とがあり、いずれの手術も形成外科で行われます。インプラント法はシリコンでできた人工乳房を挿入する方法で、手術自体はそれほど難しくありません。
自家組織移植法は患者さん自身の広背筋や腹直筋などを移植して用いて、乳房を再建する方法です。手術はやや大がかりになります。
再建法には、それぞれ一長一短があります。また、形成外科医によって得意な手術法もあります。それらの情報を集めて、再建法を検討するのがよいと思います。ただし、元の乳房とまったく同様の状態を期待するなど、完璧を求めすぎないことです。せっかく苦心して再建しても、「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。