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ノルバデックスとアロマターゼ阻害剤の再発抑制効果は?

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2010年1月
更新:2014年1月

  

2006年12月に右胸に乳がんが見つかり、手術後、ホルモン療法のノルバデックス(一般名タモキシフェン)を受けています。ノルバデックスは5年間、受けることになっていますが、ノルバデックスよりアロマターゼ阻害剤のほうが再発や転移を抑えられると聞きます。ノルバデックスを続けるより、アロマターゼ阻害剤に替えたほうがよいでしょうか。

(青森県 女性 59歳)

A ノルバデックスよりもアロマターゼ阻害剤のほうが再発を抑制

アロマターゼ阻害剤はノルバデックスとは違い、閉経後の女性だけに適応される薬剤(経口薬)です。アリミデックス(一般名アナストロゾール)、アロマシン(一般名エキセメスタン)、フェマーラ(一般名レトロゾール)の3種類があります。

ノルバデックスよりもアロマターゼ阻害剤のほうが、乳がんの再発抑制効果がやや高いことが、多くの大規模臨床試験によって証明されています。ただし、生存率に関しては、ノルバデックスとアロマターゼ阻害剤に有意な差は明らかにはありません。

アロマターゼ阻害剤のほうが再発抑制効果が高いことが明らかになって以降、日本では、アロマターゼ阻害剤がホルモン療法の第1選択になっています。

しかし、欧米ではアロマターゼ阻害剤の価格がノルバデックスの価格より数倍も高いこともあり、ノルバデックスもまだかなり使用されています。

また、ノルバデックスを5年間服用するよりも、ノルバデックスを2~3年服用し、その後、アロマターゼ阻害剤に替えるほうが再発抑制効果が高いこともわかっています。 再発抑制効果が最も高いのは、アロマターゼ阻害剤を最初から内服する方法ですが、ご相談者はすでにノルバデックスを内服しています。

質問文から考えると、ご相談者はおそらく3年近くノルバデックスを内服していると思います。そうであるなら、今、アロマターゼ阻害剤に切り替えるのも選択肢としては十分にありえます。ノルバデックスは、長く服用すると、子宮体がんのリスクが高まるため、アロマターゼ阻害剤に替えることで、そのリスクも下がります。

アロマターゼ阻害剤に替える場合、アリミデックス、アロマシン、フェマーラのいずれであっても、効果は同程度です。

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