非浸潤がんで手術。断端陽性だが、放射線治療で治らないか
左胸の非浸潤がん(非浸潤性乳管がん/0期)で乳房温存手術を受けました。その後、断端陽性と判明したため、追加切除をすすめられています。ただ、追加切除をしても、がんの広がりによっては、左胸が全摘になってしまう可能性もあると説明を受けました。全摘になってしまうこともあると聞いてショックを受けています。追加切除にも二の足を踏んでいます。放射線治療を受けるだけでは効果がないのでしょうか。
(石川県 女性 37歳)
A 放射線治療だけでは再発の可能性あり。追加切除を
断端陽性であっても、放射線治療だけで高い治療効果が出て、再発せずに治癒に至ることもあります。しかし、乳管内病変には放射線が効きにくいこともあり、一般的には、放射線治療後、10年、15年……と時が経過するにつれて、局所内再発が起こる可能性は高くなってきます。そのため、断端陽性の場合には、追加切除を行うのが原則です。
追加切除は、最初に行う乳房温存手術よりも小さく切除します。
たとえば、仮に最初の手術で5センチ×5センチで切除したのなら、追加切除では、2センチ×2センチほどの切除になります。通常は、美容的に患者さんが受け入れられる程度、あるいは、乳房の変形が強くない程度の切除ですが主観的とならざるをえません。追加切除をして、断端にがんがないことが確認されたら、その後、放射線治療を行います。
追加切除を行っても、断端陰性が得られない場合、全摘手術を行うこともあります。その場合には、3度の手術を行うことになりますが、非浸潤がんであれば、全摘手術を行えば、理論的には100パーセント治ります。
仮に全摘手術となった場合、乳房再建術を受けることをおすすめします。乳房を再建する手術は、乳房全摘の手術と同時に行うこともできます。浸潤がんではないので、乳腺だけ切除すればよく、乳房の皮膚や皮下脂肪を多く残すことができるので、浸潤がんの場合よりもきれいな乳房が再建可能です。そうしたことを考慮しても、まずは追加切除を受けられることをおすすめします。