腫瘍マーカーが上がった。再発とどの程度関係があるか
2年前、粘液がんという乳がんで乳房温存手術を受けました。手術後は、放射線療法を受けました。一番気になるのは再発です。最近の検査で、腫瘍マーカーが少し上がっているといわれました。腫瘍マーカーの上昇は、再発とどの程度関係があるのでしょうか。再発したときは、どんな治療をしたらよいのでしょうか。
(大分県 女性 43歳)
A 持続的にマーカーが上昇する場合は再発と考えるべき
腫瘍マーカーの値が正常上限値を大きく上回っていたり、持続的に上昇する場合には、再発の可能性が高いと思います。臨床的には、腫瘍マーカーは再発部位があきらかになる3~4カ月ぐらい先に上がってくることが多いです。再発すると、70~80パーセントは腫瘍マーカーが上昇しますがマーカーが上がらない再発もあります。
相談者の場合、腫瘍マーカーが少し上がったとのことですから、再発なのかどうか、はっきりとはいえません。どんな検査にも偽陽性というものがあります。しかし、持続的にマーカーが上昇する場合は再発と考えるべきです。早期に再発がわかったとしても、治癒させることは困難と考えられています。再発治療では、ホルモン剤とか抗がん剤の全身療法を再発の状況に応じて使い分けます。
現在の乳がん治療ガイドラインでは、症状のない場合には、腫瘍マーカーは再発のフォローアップには使いません。早期に遠隔再発を発見できても、延命にはつながらないと考えられているからです。
逆に、このケースのように偽陽性などで余計な心配をかけることがあるからです。
腫瘍マーカーを測定するのは、症状があるなど再発が疑われるときが原則です。