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2個のリンパ節転移で、放射線治療は必要か

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2008年10月
更新:2013年11月

  

右乳房が乳がんになり、全摘手術を受けました。がんは1個で、大きさは3.5センチ、リンパ節転移は2個あるといわれました。ER(エストロゲン)とPR(プロゲステロン)は陽性、HER2受容体は陰性でした。今後、ホルモン治療、抗がん剤治療、放射線治療の3つを行う予定であるといわれています。ホルモン治療と抗がん剤治療に関しては納得しましたが、放射線治療に関しては少し腑に落ちません。全摘したのに、放射線治療をする必要があるのでしょうか。また、こんなに治療を受けると思うと、副作用が心配です。どんな副作用がどの程度起こりうるのでしょうか。

(山形県 女性 48歳)

A 4個以上か、しこりの大きさが5センチ以上の場合に行うのが原則

全摘手術後でも、胸壁再発のリスクが高い場合には、放射線治療が薦められています。再発リスクが高い場合というのは、一般的には、しこりの大きさが5センチ以上か、リンパ節転移が4個以上ある場合です。ですからご相談者は、原則的には放射線治療をする必要はありません。ただし、リンパ節転移が1~3個あった場合でも、放射線治療をしたほうがよいと考える人もいます。リンパ節転移が1~3個の場合でも、放射線治療を行ったら、生存率が向上したという大規模臨床試験の研究結果があるためです。しかし、この試験の解釈には異論もあり、一般的には行っていません。

放射線治療を行った場合には、腕がむくむ割合が高まります。また、放射線が肺に当たった場合は、照射性の肺炎を起こすことがあります。とはいえ、大きな副作用が起こることは少ないと言ってよいでしょう。

副作用などが心配で、治療に積極的になれないようでしたら、放射線治療は遠慮したい旨を主治医にお話しされてみてはいかがでしょうか。

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