35歳で乳がんに。今後の検査の受け方は?
2006年1月に乳がん(乳頭腺管がん)で、乳房温存手術を受けました。ステージ(病期)は2A期で、リンパ節への転移はありませんでした。現在は半年に1回、検診を受けていますが、検査は視診・触診と超音波検査(エコー検査)だけです。これらの検査だけで大丈夫なのか、それともマンモグラフィ検査も行うほうがよいのではないかと思いますが、「検査の標準はない。検査をたくさんしても、意味はない」と主治医は言います。視触診と超音波検査だけで、見落としなどの心配はないでしょうか。
(大阪府 女性 35歳)
A 超音波検査を基本にして、マンモグラフィ検査を加える
20~30代という比較的若い層に対するマンモグラフィ検査は、感度が悪く、有効性が落ちることがわかっています。35歳という年齢も考えて、主治医はおそらくマンモグラフィ検査を実施していないのだと思います。
一方、乳がんに対する超音波検査を積極的に行っているのは、世界でも日本が中心であり、諸外国では行われていないため、超音波検査の有効性を証明するデータがあまりありません。しかし、臨床現場の実感としては、超音波検査を定期的に受けていれば、あまり心配ないと思います。
超音波検査を定期的に行っていれば、しこりはほとんどわかります。35歳という年齢を考えれば、それに、2~3年に1回程度のマンモグラフィ検査を加えれば、定期検査としてはほぼ十分です。
石灰化病巣だけでみつかる微小ながんは超音波検査では見つけにくいのですが、そうした病変は、2~3年に1度のマンモグラフィ検査で拾い上げることができます。リンパ節再発の発見にも超音波検査が有効です。
そもそも、乳がん罹患後の定期検査の主な目的は、乳房内再発と対側乳がん(反対側の乳房の乳がん)の早期発見です。現状では、遠隔再発は早期に発見できたとしても、治癒に至りませんし、延命効果もあまり期待できません。
術後の定期検査としては、3~6カ月に1度の超音波検査と、2~3年に1度のマンモグラフィ検査で、ほぼ十分でしょう。何らかの症状がある場合には遠隔部位の検査も行います。40歳になって以降は、マンモグラフィ検査は1~2年に1度程度に回数を増やせばよいでしょう。