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最近承認されたアブラキサンはどういう薬か?

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2010年12月
更新:2013年11月

  

4年前に乳がんを患い、昨年再発をしました。AC療法を行ったのちにタキソール(一般名パクリタキセル)を行う治療を続けていますが、最近タキソールの新しい剤型としてアブラキサン〔一般名パクリタキセル(アルブミン懸濁型)〕が承認されたと聞きました。アブラキサンとはどういう薬なのでしょうか。タキソールと効果の点では同じなら、できればアブラキサンに替えたいと思っています。

(岩手県 女性 52歳)

A アブラキサンはタキソールをより使いやすくした薬剤

アブラキサンは2010年7月に承認された薬剤で、従来のタキソールを改良した薬剤になります。アブラキサンの有効成分はタキソールと同じパクリタキセルですが、薬剤を溶かす溶媒が異なります。

パクリタキセルは、水に極めて溶けにくいため、タキソールでは溶媒として無水アルコールとクレモホールEL(ポリオキシエチレンヒマシ油)を使っていますが、この溶媒が原因でぜん息様の呼吸困難や発疹などの重篤なアレルギー反応を起こすことがあります。そのため前処置として、ステロイド薬、抗ヒスタミン薬などを投与する必要がありました。

また、アルコールがだめな方には使いにくいという欠点もあり、点滴時間も長く、3週間毎に投与する場合、3時間の点滴時間が必要でした。

一方、アブラキサンは、ヒト血清アルブミンにパクリタキセルを結合させることで難溶性の問題を解決しています。タキソールで用いた溶媒は使われず、アレルギー様症状を起こしにくいため、前処置も必要ありません。アルコール過敏症の方にも投与できます。投与時間(3週間に1度の点滴静注)も約30分とかなり短くなります。また、アブラキサンのほうがタキソールと比べて有効成分の体への浸透度が高く、より高い効果が見られます。しかしその分、手足のしびれなどの神経障害もやや強く現れる傾向があります。

費用の点でも違いがあります。アブラキサンの投与量は1回につき約400ミリグラムで、費用は3割負担で7万円弱位(薬の費用のみ)。一方のタキソールは後発品も出ており、アブラキサンと比べて値段も安く、両剤には倍以上の差があります。この点は高額療養費制度を用いることで解決できると思われます。このようにアブラキサンにも注意すべき点がありますが、再発治療の持ち駒が増えたという点で十分に意味はあります。データ上は効果もタキソールより優れています。したがって、ご相談者の場合、アブラキサンに替えるのも1つの手だと思います。

AC療法=アドリアシン(一般名アドリアマイシン)とエンドキサン(一般名シクロホスファミド)の併用

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