粘液がんの局所再発。高齢なので放射線治療にしたい

回答者・上野貴史
板橋中央総合病院外科医師
発行:2015年8月
更新:2015年11月

  

5年前、粘液がんというタイプの乳がんで右乳房温存術を受けました。がんの大きさは約0.8cm、ホルモン受容体陽性、HER2陰性でした。術後は放射線治療をせず、ノルバデックスを5年服用する予定でしたが、つらかったので1年で止めてしまいました。今年になって右乳房に再発。高齢なので手術は避けて、放射線治療を受けることはできますか。

(75歳 女性 神奈川県)

低侵襲なので乳房切除術を勧める

板橋中央総合病院外科医師の
上野貴史さん

乳がんの手術侵襲は軽度であり、普通に歩いて生活しているようなら十分手術は可能です。75歳は高齢のうちには入りません。

併存疾患がなく全身状態(PS)にも問題がなく、余命1年以上期待できるようなら、手術を受けて、根治を目指す治療を検討されるとよいと思います。ホルモン薬が服用可能なら、照射+ホルモン薬5年は大丈夫と予測されますが、今後も確実にホルモン薬が内服できるかどうか不明なので、やはり手術治療が望ましく、通常は乳房切除術が時間もかからず簡便で勧められます。

どうしても乳房を残したいなら、再度部分切除し原則放射線照射をすることも考慮できると思います。さらなる再発を防ぐために、術後に補助療法を行うことが勧められ、ノルバデックスが服用できなかったようなので、アロマターゼ阻害薬を試してみるのがよいと思います。

ノルバデックス=一般名タモキシフェン

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