手術後の抗がん剤治療が効かない。今後の治療法は?

回答者:川端 英孝
虎の門病院 乳腺内分泌外科部長
発行:2008年3月
更新:2013年12月

  

乳がんになり、温存手術を受けて、その後、CMF療法を受けました。CMF療法を受けている間にプチプチしたものができ、その後、全摘手術と放射線治療を受けました。乳がんになって、現在3年目を迎えています。抗がん剤治療は当初、タキソールとハーセプチンを受けましたが、効かなくなり、現在はナベルビンとハーセプチンの治療を受けています。もしナベルビンとハーセプチンも効かなくなったら、どのような治療法があるのでしょうか。また、その薬にはどんな副作用がありますか。

(東京都 女性 ?歳)

A タキソテールなどの抗がん剤とハーセプチンを併用

ご質問の内容を整理すると、乳房温存手術を受け、術後抗がん剤治療(CMF療法)を行っている間に局所再発になり、乳房全摘と放射線治療を受け、その後、ハーセプチン+抗がん剤が継続されているということになると思います。

文面には、年齢や腫瘍の基本的な情報などがないため、推測を交えた回答をします。現在も抗がん剤治療が継続されているということは、局所再発が皮膚上に広範囲に広がり、コントロールできなくなっているか、臓器転移があるのだと思います。また、ホルモン療法の話がないため、腫瘍のタイプはホルモン受容体陰性〔ER(-)PR(-)〕で、HER2陽性と推察します。以下の回答は、臓器転移があると仮定してお答えします。

まず手術後の補助化学療法中に局所再発をきたすということは、がんの悪性度が高く、治療抵抗性といえます。ただ2~3年前で、ER(-)、PR(-)、HER2陽性なら、CMFではなく、アドリアシン系の薬剤をベースとした治療が行われるのが一般的だったと思います。これまでCMF、タキソール、ナベルビンを使用しているため、今後はタキソテール、ゼローダ、TS-1のいずれかの抗がん剤とハーセプチンを併用して行うことになるでしょう。

主な副作用は、タキソテールは白血球の減少、浮腫、倦怠感、筋肉痛、発疹など、ゼローダは手足の皮膚障害(手足症候群)、TS-1は下痢です。また、乳がんの保険適応はありませんが、ジェムザール、プラチナ製剤も効果が期待できます。抗がん剤を順次変更しながら、ハーセプチンはこのまま継続するのが一般的です。

抗がん剤の商品名と一般名

●CMF療法…エンドキサン(一般名 シクロホスファミド)+メソトレキセート(一般名 メトトレキサート)+5-FU(一般名 フルオロウラシル)

●タキソール(一般名 パクリタキセル)
●ハーセプチン(一般名 トラスツズマブ)
●ナベルビン(一般名 ビノレルビン)
●アドリアシン(一般名 アドリアマイシン/塩酸ドキソルビシン)
●タキソテール(一般名 ドセタキセル)
●ゼローダ(一般名 カペシタビン)
●TS-1(一般名 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)
●ジェムザール(一般名 塩酸ゲムシタビン)

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