再発予防のため子宮摘出したほうが良いかで悩んでいる

回答者●織田克利
東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座生殖腫瘍学准教授
発行:2019年10月
更新:2019年10月

  

軽度異形成~中等度異形成で6年経過観察、今年44歳でそろそろ円錐切除術はどうですかと勧められ転院。転院後、1人目の産婦人科医からは検査した結果、「手術が必要なほどはひどくない、円錐切除をしても傷が塞がって検査できなくなったりするし、定期検診に通うのも面倒だから、数年後に子宮摘出を。腫瘍科の先生に引き継ぎます」と言われ、3カ月後の定期検診から腫瘍科の医師に変わりました。

その医師からは、「中等度異形成です。(がん化への可能性を説明された後)長期中等度異形成なので手術という選択肢もあります。今なら円錐切除も可能。年齢的に今しか無理です。どうしますか」と問われ、子宮摘出しなくても済むならと、円錐切除術を受けました。

医師からは「再発の可能性はありますが、一度リセットできますしね」とのこと。病理検査の結果は中等度異形成と上皮内がんで、「異常のある組織は取り切れています」とのことでした。

そこでご相談です。医師からは病理検査の結果、再発の可能性は少ないものの絶対ないという保証はないので、子宮摘出を勧められました。「子宮摘出のデメリットは?」と尋ねると「生理がなくなることと便秘になるかもしれないくらいです。卵巣は残すので更年期障害も起こりません」と言われました。

6年間定期検診で治療の必要はないという結果が、今回、円錐切除した結果、上皮がんだったので、定期検診を受けていても本当にがんになる前にわかるのか? という不安があることと、子宮頸がんで子宮を摘出した方の情報を見ていると排尿困難、浮腫、性交痛などがあるとの記載も見受けられ、子宮を摘出したほうがいいのか、定期検診のほうがいいのか悩んでいます。

(44歳 女性 愛知県)

必ずしも子宮摘出する必要はありません

東京大学大学院医学系研究科
産婦人科学講座生殖腫瘍学准教授の
織田克利さん

中等度異形成のまま長く経過している場合にどう処置するかで、2人の医師が意見を述べていてそれぞれに一理あります。

がん化するのを待つのではなく円錐切除をしてしまう、というのも1つの考え方です。

閉経してしばらく経ってから円錐切除するより、閉経前の年齢で行なったほうがやりやすいという意味で言われたのでしょう(閉経後の円錐切除が不可能というわけではありません)。

結果的には円錐切除を受けられて、病理の検査結果が中等度異形成に加え、上皮内がんも一部認められました。病変は切除断端(せつじょだんたん)には及んでいなかったということですので、円錐切除を行って本当によかった、と言えると思います。

再発しないという保証はない、ということではありますが、その点のみで子宮摘出を行うべきとは必ずしも言えません。

例えば、上皮内腺がんのように、切除断端にがんがなくても残存子宮に病変が残っている可能性がある場合や、取り切れていると思われてもその後の検査で病変の遺残が疑われなければ、そのまま経過観察をすることが一般的です。

子宮を摘出せずに、定期的に経過をみることで良いと思われます。

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