子宮ポリープの数が異常。つぶすと粘液が出てくるが

回答者●織田克利
東京大学大学院医学系研究科医用生体工学講座統合ゲノム学教授
発行:2021年2月
更新:2021年2月

  

54歳の母のことでご相談させてください。以前より子宮ポリープが多く、定期的に検診を受けていました。子宮筋腫も数年前よりあり、経過観察をしている状況で、3~4年前に閉経し、このあとは小さくなるから大丈夫と言われていました。

ところが、先日定期検診に行った際に、ポリープの数が異常で、つぶすと粘液が出てくる。子宮筋腫も大きくなっていると診断され、クリニックでも見たことがないとのことで、ここでは診断ができないからと大きな病院を紹介されました。

閉経後に子宮体部の腫瘍が大きくなると肉腫の可能性が高くなる、と聞きますがどうでしょうか。また、異常なポリープの数の原因は何が考えられるのでしょうか。

(24歳 女性 神奈川県)

LEGHが疑われる。子宮頸部腺がんの可能性も

東京大学大学院医学系研究科
医用生体工学講座統合ゲノム学教授の
織田克利さん

まず、筋腫が大きくなるのが肉腫の可能性かどうかということですが、まだ54歳という年齢ですので、閉経直後に急に筋腫が小さくなるわけではありません。本当に肉腫を疑う所見があるのかどうかを確認してもらう必要がありますが、肉腫を疑う所見がないのであれば、閉経後早期に小さくなってないからといって、精査を行うべきとはいえません。数年前から筋腫といわれていて、大きさがさほど変わっていないのなら、もう少し経過を見てもいいと思います。

また、定期検診でポリープの数が異常で、つぶすと粘液が出てくるとのことですが、これはLEGH(分葉状子宮内頸部頸管腺過形成)が考えられるのではないかと思われます。

LEGHとは子宮頸部が子宮体部に連なる部位で、頸管腺が過剰に増殖している状態をいいます。

LEGHではなく、頸管や内膜に生じるポリープであれば、採取して組織を調べれば診断できますが、LEGHだと疑われる際には、子宮頸部腺がんの可能性も考慮して詳しく調べるほうがよい場合があります。

従いまして、悪性の可能性も含め、婦人科がんの専門性の高い病院で、細胞や組織をよく調べて悪性かどうかの鑑別をすることをお勧めします。

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