不正出血があり子宮がんが心配です

回答者●織田克利
東京大学大学院医学系研究科医用生体工学講座統合ゲノム学教授
発行:2021年2月
更新:2021年2月

  

16年前に子宮がんステージⅢと診断され、子宮頸部高度異形成で円錐(えんすい)切除しました。その後、通院で異常が認められなかったため、年に1度、子宮頸がんの検診を受けています。

2カ月前、生理と同じくらい不正出血がありました。産婦人科で止血剤を処方してもらい、4日後に子宮がん検査をしてもらった際、円錐切除が原因で一番細い検査器具が入らないので、検査が出来ませんと言われました。

閉経して2年目での不正出血なので、子宮がんが心配です。麻酔をして、円錐切除した部分を拡げた後に検査は可能でしょうか。または血液検査など、器具を使用しない方法でもわかりますか。がん家系なので早急に検査したいのです。

(49歳 女性 埼玉県)

可能な範囲での細胞摂取を勧めます

東京大学大学院医学系研究科
医用生体工学講座統合ゲノム学教授の
織田克利さん

16年前に子宮がんステージⅢと診断され、高度異形成で円錐切除を受けたとのことですが、これはステージⅢのがんではなく、クラスⅢの誤りだと思われます。円錐切除を受けた後の経過は良好で、通常の検診を受けられていたものと思われます。

ところが不正出血があり、検査を受けようとしたら、検査器具が入らないので出来ないといわれたとのこと。円錐切除をした後は、切除部分の治癒過程で頸管が閉じていきます。さらに閉経すると子宮が委縮することで、狭窄(きょうさく)による影響がより強くなっていきます。

今回は不正出血があったので、頸部に加えて、子宮の奥の内膜までの検査を考慮されています。その際に、検査器具が入らないのでどうしましょうか、というご相談ですが、組織検査採取の必要性が高いということであれば、麻酔をして頸部を拡げて中の組織を掻爬(そうは)することも可能です。しかしながら、本当にそこまで行う必要があるかは別問題です。

麻酔をして組織検査をするということになれば、入院を要する場合もあり、通常の検診レベルとしては患者さんの負担が多すぎるように思われます。

検査器具を入れられるに超したことはありませんが、可能な範囲での細胞を採取しつつ、それに加えて経腟超音波の検査を行って、がんを疑わせるものがないか、を調べることもお勧めします。

なお、血液検査で腫瘍マーカーを見るだけでは、がんであることの否定にはなりません。可能な範囲の検査でがんなどが疑われる場合には、さらにMRI検査を行うことをお勧めします。

不正出血が一度生じただけで、持続するものではなく、経腟超音波検査などでもなんら異常がなく、採取した範囲での細胞診・組織診に問題がないようなら、様子を見ることは現実的な選択肢になります。

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