シスプラチンによる化学放射線療法が心配

回答者・林 隆一
国立がん研究センター東病院副院長/頭頸部外科長
発行:2015年10月
更新:2016年1月

  

中咽頭の側壁にがんが見つかり、大きさは約3㎝、頸部リンパ節にも小さな転移が1つあると診断されました。シスプラチンによる化学療法と放射線治療の併用療法を提案されたのですが、シスプラチンは副作用が強い薬と聞いて心配しています。具体的にはどのような副作用でしょうか。ほかに考えられる治療法を教えてくだい。

(66歳 男性 山梨県)

腎機能への副作用が問題。慎重に投与を行う

国立がん研究センター東病院
副院長の林 隆一さん

がんの大きさが4㎝以下で、同側の頸部に3㎝以下の腫瘍が1個のみ認められる場合はステージⅢ(III)となります。ご相談者の場合は、シスプラチンによる化学療法と放射線治療の併用か、手術が可能であれば、手術による中咽頭の腫瘍の切除と頸部リンパ節の郭清を行うことも選択肢の1つです。

シスプラチンの副作用としては悪心・嘔吐とや食欲不振などの消化器症状のほか、腎機能障害、骨髄抑制、難聴や耳鳴り、しびれなどの末梢神経障害があります。中でも問題となるのは腎機能障害です。腎機能を守るため、シスプラチンを投与するときは、入院して長時間の輸液による水分補給が必要となります。腎機能障害や糖尿病などの持病のある患者さんは、慎重に投与しなければなりません。シスプラチンを使った治療が難しい患者さんには、2012年に承認された分子標的薬のアービタックスを使った放射線療法も検討されます。

手術を行った場合は、切除範囲によって再建手術が追加されることがあります。側壁がんであれば、通常嚥下機能や発声機能は保持されます。術後の病理検査の結果、断端陽性や節外浸潤が認められた場合は、術後に(化学)放射線治療を行います。

シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ アービタックス=一般名セツキシマブ 断端陽性=がんを切除した切り口にがん細胞が残っている 節外浸潤=リンパ節転移巣より節外にがん細胞が浸潤している

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